はじめの一歩 | 「会社辞めたい」「仕事行きたくない」   職場心理物語  『 いつか来た道 』

「会社辞めたい」「仕事行きたくない」   職場心理物語  『 いつか来た道 』

家族があるにも関わらず、会社に行けなくなってしまった男が、ボロボロに傷付きながらも、自ら考え、勇気を出して行動し、周りの人が支えてくれる中、自分の弱さと戦いながら、見事復活を遂げていく感動のストーリーです。

 

 

 

 

7時に目を覚ました。


図書館に行くことにしたのだ。

 

お金がかからず、時間がつぶせるという理由からだった。

 

 

 

 

 

・・しかし眠い

 

 

 

 


人目を避けるように生きるべく


最近ではすっかり朝寝坊の習慣が身についていた。

 

その反動で当然夜更かしにもなっている。

 

体もだるかった。

 

 

 

 

 

・・今日はやめとこうかな

 

 

 

 

 

一瞬、悪魔が囁いたが俺はすぐに思い直した。

 

これを逃したらいけない気がした。

 

 

 

 

 

この闇から一刻も早く出るんだ

 

この苦しい状況を一刻も早く変えるんだ

 

 

 

 

 

 

俺は意を決するようにして、布団から出た。

 

 

 

 

 

 

地元の図書館は新しいが、近所の人にいつ会うとも限らない。

 

俺は少し離れた学生時代よく通った図書館へ足を伸ばした。

 

 

 

 

 

 

やがて、懐かしい建物が姿を現わした。

 

以前から建物自体決して新しくはなかったが、

 

時を刻み、より年季を増したせいかやけに古びた感じを受けた。

 

 

 

 

 

 

「何年ぶりかな..」

 

 

 

 

 

 

外の空気の中で懐かしさに包まれる状況では

 

ネガティブな感情に浸ることもできず

 

頭痛や気だるさが和らぐような気がした

 

 

 

 

 

 

「そうだ」

 

 

 

 

 

 

早速、今の自分に役立つような本を探しに

 

館内へと入っていった。