ハーモニー・コリン監督脚本「スプリング・ブレイカーズ」(2013年)は異色の青春映画です。
"spring_breakers_ver14_xxlg" Photo by Jorge Figueroa
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僕がハーモニー・コリンを知ったのは「ミスター・ロンリー」(2007年)。
マイケル・ジャクソンに憧れるモノマネ芸人はじめ、社会から外れた人間達の孤独を描いた秀作でした。
「スプリング・ブレイカーズ」は、セレーナ・ゴメスら当時ティーンのアイドルを主演に起用して公開当時話題になったんです。
観たんですが、度肝抜かれました。
「スプリング・ブレイク」とは、アメリカの大学生が春休みに羽目を外す習慣なんだそう。
スプリング・ブレイカーズとは大いに羽目を外した大学生のことで、本作の主人公は女子大生4人組です。
彼女たちは退屈な日常を離れ、春休みにフロリダに遊びに行きたいのですが、いかんせん金がない。
そこで、彼女たちはなんと水鉄砲を手に店を襲いますが、これが呆気なく成功。
その足で長距離バスに乗ってフロリダリゾートへ。
調子に乗りすぎて遊び倒した彼女たちは警察に逮捕されます。
そんな彼女たちを助けたのは、地元ギャングのエイリアン(ジェームズ・フランコ)だった。…
"Spring Breakers" Photo by Craig Duffy
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ジェームズ・フランコがかなりワルな男に見えます。
今までのナイーブなハンサムというイメージを大胆に変え、コーンロウに金歯ギラギラのギャングを熱演していました。
さて若者達が退屈な日常をぶっ壊す一時を描いた本作。
地方出身の女子大生が快楽と刹那で危険な世界へ。
クラブミュージックが流れるギラギラキラキラしたナイトライフ。
エロスと犯罪、デカダンス。それは性(生)と死の世界。
気づくと水鉄砲から本物の銃、マシンガンまで手にする彼女たち。
「これではいけない」と途中でドロップアウトして元の世界に戻ったのがセリーナ・ゴメス演じるフェイス。
名前と言い、教会に通う娘だった、という設定がいかにもではありますが。
「スプリング・ブレイカーズ」の女子大生達の行動は、退屈感だけではとても説明出来ないものです。
「スプリング・ブレイカーズ」の画面から漂う嫌悪感は、死の臭いがつきまとっていることから来ている気がしました。
そう言えば「ミスター・ロンリー」もそうでした。
やはり唐突に死が訪れるんです。
常に危うい感じと言うか。
でも、ハーモニー・コリンの意図が未だに理解出来ていないんです。難しい …。