今回はデヴィッド・スーシェ主演の海外ドラマ「名探偵ポワロ」の最終回のエピソード「カーテン〜ポワロ最後の事件〜」をご紹介します。
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ポワロに呼ばれて2人が出会ったスタイルズ荘にやって来たヘイスティングス。
久々に再会した2人は共に老いており、ポワロは心臓を患い車椅子生活です。
ポワロはヘイスティングスを呼び寄せた理由を語ります。
このスタイルズ荘で殺人が起きる、とポワロ。
犯人Xはスタイルズ荘に滞在中の誰かであり、これまで五つの殺人事件に関わった人物だという。
ポワロはXをあぶり出すために、身体の不自由な自分の代わりに情報収集をして欲しい、とヘイスティングスに頼みます。
スタイルズ荘のオーナーの秘書をしているヘイスティングスの娘が人の命の扱いについて過激な意見を言うのを聞いてギョッとするヘイスティングス。
そしてついにポワロの予言通り、第一の殺人事件がスタイルズ荘で起きる。…
初めてアガサ・クリスティのポワロを知ったのはこの『カーテン〜ポワロ最後の事件〜』を観たとき。
ミステリーには人間の欲望、悪い面の描写が不可欠です。
原作全てを読むほどハマった「シャーロック・ホームズ」もそう。
僕はミステリー好きなんですが、ポワロはずっと避けてきたんです。
理由は、今思えばアガサ・クリスティーの人間の描き方はかなりいやらしい(=あまりにリアルということかな)と直感していたからかな 。
でも、たまたまBSで放送していた「カーテン」を観たら、たちまちひきこまれました。
きっと食わず嫌いだったんですね。
それから海外ドラマ「名探偵ポワロ」を観るように。
本作のポワロとヘイスティングスは老いてかなり衰弱しています。
これまでポワロはヘイスティングスに嫌みを言ってきましたが、ユーモアがありゆとりがありました。
でも今回は違い、ポワロはヘイスティングスにかなり手厳しい。
Xが決して尻尾をつかませない強敵だということだけでなく、やはり残り時間が少ないことへの焦りだったんです。
法で裁けない悪と対峙するポワロの決断とは?…
タイトルの「カーテン」とはカーテンコールのカーテンのことです。
名探偵ポワロとヘイスティングスの冒険と人生の幕引きの意味なんです。
台詞一つ一つが伏線となり、終盤驚きの結末と共に見事に回収されます。
命、倫理、そして罰。
こういった難題を一つのエピソードに盛り込んだアガサ・クリスティーはすごいな、と。