「マッドマックス/サンダードーム」(1985年)は荒廃した近未来を舞台に独りの無頼漢が活躍する人気シリーズ 第三弾です。
"mad max: beyond thunderdome" Photo by Dr Umm
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砂漠を放浪するマックス(メル・ギブソン)はジェデダイアの飛行機に襲われて馬車を奪われてしまう。
歩いてバーターシティに辿り着いたマックスは、町の支配者アウンティ(ティナ・ターナー)と荷物と引き換えに怪力男・ブラスターを殺害する取引をする。
闘技場「サンダードーム」でマックスはブラスターを追い詰めますが、マスクの下の純粋な素顔を見て止めを刺すことを放棄。
掟を破ったマックスは「運命のルーレット」で死の追放に処されてしまい、砂漠で行き倒れてしまう。
瀕死のマックスはサバンナという名の少女に助けられる。
サバンナによって子どもたちのみが暮らすオアシスに導かれたマックスは、子ども達から「キャプテン・ウォーカーが帰ってきた」と誤解される。
子どもたちは「伝説の男キャプテン・ウォーカーがオアシスに帰って来て希望の街トゥモロー・ランドに皆を連れて行ってくれる」という夢の言い伝えを信じていた。
マックスが「そこは死の町バーターシティだぞ。オアシスにとどまれ」と言ってもサバンナと一部の子ども達は信じずに旅立ってしまう。
マックスは救出のため、サバンナ達の後を追う。…
"mad max beyond the thunderdome" Photo by theNerdPatrol
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なぜマックスは命の危険を顧みず、子どもたちの救出に奔走したのでしょう?
マックスが過去に守れなかった同僚、命を失った家族への罪悪感がマックスをずっと悩ましているんだと思います。
しかし、もう償えない。失った過去は取り戻せないのです。
傷ついたままのマックスは、出会ったばかりの子ども達と失った家族を重ねていたんだと思うんですね。
だから無謀な子どもたちを見捨てることは自分自身が許さない。
後に成長したサバンナが「過去は取り戻せない。でも私たちは未知の未来を突き進まねばならぬ」と言うんです。
それはマックスの生き方だったんじゃないかな、と。
「マッドマックス」シリーズに共通するテーマはこの「罪悪感と償い」だと思います。
このテーマを「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(2015年)でも描写されています。こちらも素晴らしい作品でした。
「サンダードーム」はシリーズの中ではバイオレンス描写が抑えめですから、比較的観やすいんじゃないでしょうか。
町の女王アウンティ役はソウル・ミュージックの大御所ティナ・ターナーも良かったですね。