「ラスト・オブ・モヒカン」(1992年)、公開当時映画館で観ました。懐かしいですね。
監督は「マイアミ・バイス」「ヒート」のマイケル・マンです。
"5.11.12 - "The Last of the Mohicans"" Photo by Movies in LA
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名優ダニエル・デイ=ルイスがアクションヒーローを演じているのも珍しい本作。
ヒロインを演じたのは美しくも儚さを湛えたマデリーン・ストウ。
彼女とウィノナ・ライダー、ジュリエット・ルイスは、90's的ヒロイン女優でしたね。
物語の舞台はイギリスとフランスが領有権を争って戦争をしていた18世紀半ばの新大陸。
この戦争に先住民族も同盟を結んで戦っています。
それは彼らが一族の生き残りを賭けているから。
一方、開拓民たちは自由に生きるために危険な植民地で家を建てて暮らしています。
そして戦争になれば義勇兵として駆り出されてしまう。
軍は国家を優先、開拓民のことなど二の次なのです。
そういう悲惨な時代。
主人公の“ホークアイ”ナサニエル(ダニエル・デイ=ルイス)は、元開拓民の孤児でモヒカン族のチンガチックに引き取られて育った男です。
オープニング、3人のモヒカン族の戦士たち-チンガチックと息子のウンカス、そしてホークアイが森の中を走り抜ける。
ホークアイ達は誰にも仕えず、自由に生きていることが分かります。
英軍少佐のヘイワードは、マンロー大佐の娘コーラ(マデリーン・ストウ)とアリスを警護しながら砦への移動中にマグア率いるヒューロン族に襲われます。
その窮地を救ったのがホークアイ。
砦に到着すると恋に落ちるホークアイとコーラ。
しかし、コーラに片思いしているヘイワードは、嫉妬に駆られてホークアイを逮捕して処刑しようとします。
一方、家族をマンロー大佐に殺されたマグアは恨みからコーラとアリスを執拗に狙っていた。・・・というお話。
心身共にマッチョなホークアイは、生き延びるために特化した感覚の持ち主です。
友人の開拓民一家が惨殺されているのを発見した際も、埋葬せずに先を急いだのは、埋葬すると敵に自分たちのルートがバレてしまうから。
ホークアイは生き延びるために内心歯を食いしばって堪えているんです。
愛するコーラと今生の別れか?という場面が何度かありますが、その度にホークアイはコーラに生き延びる術を与える。
ホークアイだけでなく、愛するひとを救うために自己犠牲を厭わない男たち。
男と男の闘いにこだわってきたマイケル・マン監督が、本作ではラブロマンスを物語の中心に据えて描いているんです。
が、そこはマイケル・マン。男の勝負や男くささも迫力のアクションと美しい映像で魅せていますね。
「ラスト・オブ・モヒカン」の背景には、ある日突然上陸して来た白人たちによって運命を狂わされた先住民族の苦悩と滅びゆく者達の悲哀があります。
だから生き延びることが一個人を超えて、より重たい意味を持っているんですね。
ホークアイがコーラに言う。
「生き延びろ。俺が助けに行く。例え何年かかっても俺が必ず見つける」。
公開当時、映画館に観に行ったんですけども、このホークアイの台詞が印象的でした。
ホークアイとコーラの愛と守護本能が記憶に焼き付いています。
※昨夜また大きな地震がありました。皆様ご無事でしょうか。お見舞い申し上げます。今後もどうかお気をつけ下さい。