「クール・ランニング」(1993年)は、1988年カルガリー冬季五輪で4人乗りボブスレーに初出場したジャマイカチームの実話を基にしたコメディ映画です。
"Cool Runnings" Photo by zentolos
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常夏の島国ジャマイカ。
100メートル走でオリンピックを目指すデリースは、選考会でユルと共にジュニアの転倒に巻き込まれてしまい、終了の憂き目に。
それでも五輪を諦められないデリースは、20年前に同じく短距離ランナーだった父親がかつての金メダリストのアメリカ人・アーブにボブスレーを勧められていた、という話を聞いて閃く。
デリースはアーブ(ジョン・キャンディ)を探し出してコーチをなんとか頼み込み、ユル、ジュニア、幼なじみのサンカと3ヶ月後のカルガリー冬季大会を目指します。
アーブは昔やらかしてしまい、今はギャンブルで暮らすしがない男になっています。
ジュニアは支配的な父親に逆らえない、ユルはジャマイカを出たい一心だけど外の世界に無知など皆色々ありますが、とにかくボブスレーも初めてだし、金もない、ソリさえない。
練習はボロボロの手押しカートに乗って灼熱の坂道を砂埃を立てながら走ったり。
そんな状態で常夏のジャマイカから零下25℃のカルガリーに乗り込んだジャマイカチームは皆からバカにされる。
それでもめげずに挑み、次々と発生する問題に立ち向かいます。
"Cool Runnings (1993)" Photo by Micah Wilson
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強豪チームにかぶれたデリースにサンカが「俺たちはジャマイカ人らしくやりゃいい」と言って目からうろこというシーンがあります。
「行き詰ったら人真似じゃなくて自分らしく行こう」というメッセージなんですね。
ジャマイカチームが笑いながら困難に挑むのが良いんです。
そして笑いの後にさわやかな感動がやってきます。
劇中で「クール・ランニング」とは「穏やかなる旅路」という意味だ、とデリースが言います。
アイス・ラスタマンの悟りの境地なんですね。激しい競争の先にはそういう世界がある、みたいな。
「クール・ランニング」は、こういう実話をコメディにしたのがすごい発想ですね。
全編に流れるレゲエミュージックがまた楽天的雰囲気を醸しだしていてGood。
ジミー・クリフの歌う「I Can See Clearly Now」は最高です。