「オーシャンズ13」~義理人情を欠いたら絆は生まれない。 | ネコ人間のつぶやき

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 前回の「オーシャンズ12」からの連投ということで、今回はオールスター三度集結の「オーシャンズ13」(2007年)。

 

 ダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)の忠告を振り切ってルーベンは悪名高きホテル王バンク(アル・パチーノ)と共同経営の契約をしてしまう。案の定バンクは裏切り、ルーベンは心筋梗塞を起こして倒れる。ダニーはバンクにリベンジすべく仲間を再結集するが・・・。

 

"Ocean's 13" Photo by Phim Ảnh

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 ベガスに舞い戻ったオーシャンズ達は作戦準備に入りますが、掘削機が故障。代わりを購入する資金がどうしても足らない。

 

 万事休すか?・・・否、最悪の手が残っていたんですね。因縁のベネディクト(アンディ・ガルシア)に資金援助を頼むという。

 

 ベネディクトもバンクが嫌いでダニーの話に前向きですが、ヤッパシ自分に一方的に有利な条件を飲ませ、さらにはバンクのダイヤコレクション強奪もダニー達に要求。

 

 しかし選択の余地がないダニー達は、ベネディクトと組むはめになるのです。

 

 難攻不落のバンクの新ホテル最上階にどう潜入してダイヤを奪うか?

 

 それにベネディクトはさらに狡猾なことを考えていそう。

 

 それでもオーシャン達は、バンクをギャフンと言わせねばならないわけです。

 

 危険な超難関に挑む男たちの姿が今回もユーモラスに、そしてクール&スタイリッシュに描かれています。

 

 下準備の一環でメキシコのダイス工場に工員として潜入したバージル(ケイシー・アフレック)。

 

 ところが酷い労働環境に怒りを抱いたバージルは、自分のミッション放って工員達とストを決行。

 

 遅れて双子のターク(スコット・カーン)も工場に潜入するけど、やっぱり兄弟で悪徳経営者と闘うことに。計画遅れてます…。

 

 笑わせながらも、オーシャン達は確かにワルだけど、正義感はあるし情に厚いよ、というわけです。

 

 今作もライナス(マット・デイモン)の半人前キャラも相変わらずで良い。

 

 バンクの片腕アビゲイル(エレン・バーキン)を誘惑して落とす役目が必要→満場一致で美男子ラスティに指名。 

 

 が・・・そこに一人異を唱えるライナス。「僕ならできる。しかも媚薬なしで」。

 

 案の定、媚薬の力を借りまくるライナスとエレン・バーキンの生々しさとが相まって、一気にコメディと化します。


 ライナスは和を乱すわけじゃなく、不思議とチームが上手くいく。ユルいようでピシッと決まる、不思議な魅力があります。

 

"Z321" Photo by Raoul Luoar

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 ダニーは、ルーベンは若き自分がハメられないよう守り、朝飯まで奢ってくれた、とラスティ(ブラッド・ピット)に回顧します。

 

 確かにダニー、ラスティはアナログ人間の古いタイプの男です。

 

 でも、義理を重んずるのです。そして人情に厚い。

 

 ダニー達はホテル格付け調査員と入れ替わるために本物の調査員は悲惨な目にあわせますが、さいごにちゃんと有り余る埋め合わせをするラスティ。

 

 バンクなら調査員がどうなろうと知ったこっちゃないでしょう。

 

 義理人情を欠いてはならないのは、洋の東西関係ありません。

 

 義理人情のない仲間なんて、そんなのまやかし。

 

 そこにあるのは裏切りくらいで、絆なんて芽生えるはずもない。

 

 その点、オーシャンズ11は本物の仲間です。

 

 余談ですが・・・アル・パチーノ&アンディ・ガルシアと言えば「ゴッドファーザーPARTⅢ」。

 

 「PARTⅢ」のアル・パチーノがオールバックじゃなく、スポーツ刈りみたいな短髪だったのを観ただけで「違う・・・」とショックを受けちゃった私。

 

 ましてやアル・パチーノが騙される男の役だなんて、そりゃないよ・・・。