バスター・キートンは「世界三大喜劇王」の一人です。サイレント映画時代の象徴ですね。
キートンはチャップリン同様、脚本を書き監督もしたのですね。キートンはチャップリンのライバルと見られておりました。
バスター・キートン
"Buster Keaton" Photo by kate gabrielle
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危険なアクションシーンも自分ですべてこなしたのですが、かなりスゴイことしてます。
「撮影中骨折とかしなかったのかな?」と思っちゃうくらいのスタント&身体能力なのですよ。
そしてキートン映画でスゴイのは大掛かりで計算された精巧なセットです。
街を花嫁志願の女性たちが何百人もキートンを追っかけまわし、さらには岩が転がって来て、それでもドワ~って女性陣が追いかけてくる。
3階建ての家が崩れる際、たまたまキートンが崩壊した家の窓の所に立っていたものだから難を逃れる、とか。
キートンがお金がないので安く自分で家のパーツを組み立てようとする。でも恋敵がパーツに違う番号をつけちゃった。で、完成したら妙な家。雨漏り酷いし、そのうち暴風で家がクルクル回転し始めるわ…。
「文化生活一週間」(1920年)
"For NTF" Photo by **AB**
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キートンの精巧なセットで思い出したのがザ・ドリフターズです。
子どもの頃ドリフの「8時だョ!全員集合」が大好きで土曜の8時には毎週観てました。
長さんが「オイ~ッス!」と言ったら子どもの私はテレビに向かって「オイ~ッス!」×3。
夏になるとコントは幽霊ものが定番。「志村、後ろ!後ろ!」って叫んでいたわけですよ。
ドリフのコントもおもしろかったですけど、子どもながらに感心していたのが家のセット。
二階の床がガッタン!て1階に落ちてメンバーが転げ落ちるとか、壁が壊れて倒れてゆくとか。
で、コントの終りは音楽と共にセットが移動して、歌手のセットに早変わり。「スゴイな~」と。
しかも毎週違ったセットでしたからね。大道具さん・美術さんは相当な腕の持ち主だったに違いありません。今思えば「バスター・キートンの影響かな?」と思ってみたり。
ポーク・パイ帽はキートンのトレードマーク。
"Buster Keaton" Photo by kate gabrielle
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「何を伝えたいか」をセットもひっくるめて表現した総合芸術が映画や舞台ですね。
観客を笑わせながらも唸らせるために、バスター・キートン、チャップリン、ドリフは、作風や規模こそ違えども、みんなハイペースなのに手を抜かず、力が入っていた。大好きですね。
チャップリンとキートンの唯一の共演作「ライムライト」についてはこちら→ 「人生に必要な3つのもの」