ミュシャが描いたアートの魅力 | ネコ人間のつぶやき

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 ミュシャは19世紀末~20世紀にかけて活躍した芸術家です。彼を一躍有名にしたのが下の「『ジスモンダ』ポスター」。サラ・ベルナール主演の舞台「ジスモンダ」のためにミュシャが制作したものです。

 

"Sarah Bernhardt American tour, poster by Alfons Mucha, 1896" Photo by trialsanderrors

source: https://flic.kr/p/5rxm3g

 

 ミュシャが祖国チェコからパリに出て、ずっと芽が出ずにいたところに突如舞い込んだオファー。

 

 「ジスモンダ」はミュシャの運命を変えた作品と言えますね。サラ・ベルナールはミュシャのミューズとなりました。

 

サラ・ベルナール。初の国際的女優で、私生活をミステリアスに演出した。自己プロデュースにも長けていたと言われている。

"nadar_sarah_bernhardt" Photo by Porco Rosso

source: https://flic.kr/p/rCK2vG

 

 下はミュシャの代表作のひとつ、連作「四季」。本当に何とも言えない美しさですね。「ミュシャ的な美」としか言いようがありません。

 

"Les Saisons, série de quatre" Photo by Swallowtail Garden Seeds

 

 ミュシャのデザインの有名な特徴は、ポスターですが原色を使わず柔らかい中間色。髪の毛は詳細に描かないことでミュシャ的なデザインとなっています。

 

 アール・ヌーヴォーの特徴である有機的な曲線や草花や果実といった自然の存在を配するというものです。官能美と同時に神聖化された女性像ですね。

 

"Lilies, iris, bellflowers. Fleurs by Alfons Mucha (1897)" Photo by Swallowtail Garden Seeds

 

 

"La Primevere (1899)" Photo by Swallowtail Garden Seeds

source: https://flic.kr/p/tZ1592

 

 ミュシャのデザインは様々な商業用ポスターに使われてきました。下は自転車ポスターです。

 

 グラフィックデザイン、ポスターという新しい芸術は大量印刷が可能ですから、大衆が身近に素晴らしい芸術家たちの仕事を身近に見られたわけですね。

 

 ここが19世紀末に生まれた新たなアート運動のなかでポスターアートが革新的なものだったと思うのです。素晴らしい文化は皆で共有したいものです。

 

"Alfons Mucha - Frame created with New ImageFramer 3 for the Mac" Photo by Glen Dahlman

source: https://flic.kr/p/8MaETq

 

 ミュシャ展が東京・国立新美術館で2017.3/8(水)~6/5(月) まで開催されており、20枚の連作「スラヴ叙事詩」が話題となっていますね。

 

 「スラヴ叙事詩」が20枚すべて国外で展示されることは世界初とのことです。こちらはパリ時代と作風がガラリと変わっていること、そこにミュシャや彼の祖国の歴史が深く影響していることがうかがえます。