リハマガ!【健康とリハビリの専門家】矢口拓宇公式ブログ -11ページ目

リハマガ!【健康とリハビリの専門家】矢口拓宇公式ブログ

理学療法士の矢口拓宇が、健康とリハビリについての情報をお届けします。


先日、自転車で走っていると、
○○リハビリ病院という
看板を目にしました。


ここ数年、
リハビリ病院が増えているように
感じます。


リハビリ病院は、
”回復期”のリハビリを主に
扱います。


回復期リハビリとは、
脳卒中や骨折などをされた方が、
発症からおよそ半年間、
リハビリのできるところです。


脳梗塞を発症して数年たっている方から、
聞かれました。


「私はリハビリ病院には入れないの?」



残念ながら、入れません。



回復期は、
発症後半年間しか入れません。。


”リハビリ入院”
をしたいなあ、
と思ってもできません。


リハビリ目的で入ることができる施設として、


老健(介護老人保健施設)


があります。


老健には、
理学療法士か作業療法士、
言語聴覚士がいて、
(回復期のリハビリほどではありませんが)
リハビリができます。


在宅で介護をされている
ご家族にとっても、
たまに施設に入ってもらえれば
ちょっと楽になるかもしれません。


ということで、
私は老健を利用しながらの
在宅介護をお勧めしているわけです。


ただし、、、


誰でも老健を利用できるという
わけではないのです。


入所判定というものがあり、
内部の会議で入所の可否が
決まります。


入れると思ったのに不可・・・
なんてなったらショックですよね。


入所が不可になる理由は
大きくわけて次の5つです。


1.あまりに問題の多い認知症


認知症専門棟のある施設なら別ですが、
一般的な老健であれば、
あまりに問題のある認知症の方の受け入れは
難しい場合があります。


介護に拒否が強かったり、
妄想が強かったり、
徘徊で出て行ってしまう可能性があったり
・・・といった場合などです。


2.医療的処置がある


床ずれや胃ろう、在宅酸素療法などの
医療管理が必要な場合は、
受け入れが制限されます。


床ずれは軽いものであれば
受け入れてくれる可能性は高いです。


人工呼吸器などの高度な機器を
使用する場合は難しいかもしれません。


3.定期受診が必要


特殊な病気などで2週間に1回、
専門病院に受診が必要・・・
といった場合、受け入れは難しいです。


老健入所中は、健康保険が使えません。


といっても、
本人に請求されるわけではありません。


老健からの持ち出しとなるんです。


定期受診の医療費となると
けっこうかかりますから、
施設としてはできるだけ避けたいと考えます。


4.薬代が高すぎる


これも同様の理由で、薬代は老健の
持ち出しになります。


いつもかかっている主治医に、
できるだけ薬代を少なくしてもらうように
お願いすると、
入所判定は通りやすくなります。


5.あまりに重い介助量


体格が重く、車椅子に乗せるのに
2人介助が必要・・・といった場合、
受け入れが難しい場合もあります。


移乗用リフトのない老健は多いです。


ただ、
絶対に無理というわけでもないので、
施設によっては受け入れてくれるところも
あるでしょう。




上記のようなハードルをクリアできれば、
入所は比較的簡単です。


施設によっても考え方が異なるので、
いくつかの施設に同時に申し込みを
かけるというのが良いと思います。


「夏の暑い間、冬の寒い間だけ、
預かってもらえないかしら」


老健(介護老人保健施設)には、
そんなご相談がよくあります。


そんな都合のいい使い方ができるのか?


・・・と、
介護をされている方なら
お思いになるでしょう。


それが実は、できるんです。


むしろ、老健は今後そういった使い方が
主流になっていくでしょう。


今までの老健は、
簡単に言うと、
特養(特別養護老人ホーム)に入るのを
待つ人が行くところでした。


しかし、


今は制度が変わる中で
老健は「在宅復帰を支援するところ」へと
変わりつつあります。



老健同士の交流会などに出ると、
各現場で、こんなに在宅復帰支援の
取り組みをしているんだ、
ということを実感できるほどです。


老健と他の介護保険施設との違いは、
リハビリや看護の体制がしっかりしている
ということなんです。


つまり、


「生活をさせてくれる」ことに加え、


「体をよくしてくれる」ところ


でもあるんです。




では、
老健に入所するためには
どうしたらいいのか?


実は、申し込めば誰でも入れるわけでは
ありません。


要支援の方は入れず、
要介護の方のみです。


申し込んだ後に、
”入所判定会議”というものが
内部であり、
入所の可否が判定されます。


その入所判定で落とされる理由、
入所”可”になる理由とは・・・?


また次回、お楽しみに。

今回は、
在宅か施設かの選択に、
最も重要なことは?という話です。


私が関わっている方で99歳の女性で
一人暮らしをされている方がいます。


もちろん、
ヘルパーさんが入って、
買い物や家事のお手伝いはしています。


しかし、
誰もいない時間のほうが多いです。


家の中はつかまって歩き、
外はシフバーカーを押して歩きます。


軽い認知症もあります。


息子さんは、


「本人を一人で住まわせるのは心配」


と、息子さん宅に引き取ることを
提案したようですが、
本人は断固拒否しています。



「私はここで死ぬんです。」



本人はがんこだから聞かない、と、
息子さんも覚悟を決めています。


一方、80代の女性で
一人暮らしをしていたけれども、
施設に入ることを決めた方がいます。


腰の手術後に、
動けない期間が続き、
筋力・体力が落ちてしまった方です。


リハビリで歩けるようになり、
家の中をつかまって歩けるように
なりました。


ヘルパーさんを遣えば、
家で生活できるレベルです。


しかし、
ご本人はこう言います。


「もう、家には帰りません。
売ろうと思っています。」


施設を探しています。


家で一人でいることの不安が
大きいようです。


離れて住むご家族も、
不安に思っています。


周囲にはあまりお友達も
いないとおっしゃっていました。


この2人の方を対比すると、
どちらの方も自宅で生活することが
できるレベルです。


施設か在宅かを決める理由は
なんでしょうか?


もちろん、
日常生活のある程度のことは
自分でできる必要があります。


その上で、最も重要なこと。


それは、本人の”意思”です。



本人が、


「家に帰りたい」


としっかりと言うかどうかが、
ポイントなんです。


その意思が強ければ
周りはサポートしてあげたい、
と思うものなのですね。


家にいることの不安が
勝ってしまうような場合は、
やはり施設のほうが安心して暮らせます。


在宅か施設かを考えるのは難しい
ところです。


本人の意思をしっかりと聞いていく
ことで、適切なサポートが
できるのかな、と思います。


次回は、そのハイブリット型


”施設併用型在宅介護”


についてお伝えします。