アート・オン・スクリーン 映画館で味わう世界の美術展

ゴッホのひまわりの謎。

 

 

 

 

一「ひまわり」はゴッホの有名な連作一

 

ゴッホによる花瓶に挿された構図の「ひまわり」の油絵は、世界で7点が確認されている…

 

 

 

 

さらに花瓶には挿されていない作品も数点あるらしい…

 

ゴッホは躁鬱病(てんかん説、統合失調説もあり)だったらしく…

 

苦悩に満ちた人生を送り、1890年37歳で没。

 

ただ、ゴッホにとって、「ひまわり」の連作に取り組んでいた1888年の夏は、未来への希望と前向きな感情とに満たされていた時期だったらしい。

 

 

ゴッホはなぜ「ひまわり」の連作を描いたのか???

 

以下は映画を観た後に私が考えたことです。

 

 

当時は写真が普及し始めた頃で、

 

それまでの写実性だけではない新たな役割が絵画に求められた。

 

絵画のもつ主観的な表現の世界がクローズアップされた時代。

 

そして、絵画を鑑賞する側ももちろん主観的に絵画を評価するもの。

 

ゴッホの絵は、生前の頃には全く相手にされず…

 

非業の死…

 

 

しかし、それから100年経って~~~

 

1987年に当時の安田火災海上保険が「ひまわり」の一点を58億円で落札し、SOMPO術館に展示している。

 

 

 

 

画家の主観で画かれた絵画が、

 

見る側の主観でどのようにも評価される…

 

 

おかしな話ではあるが、ここにカウンセリングの奥義が隠されているのかもしれない。

人の心は、つかみどころのないもの…

 

カウンセリングではクライアントの内面的な話を聞きながら、カウンセラーの主観的な解釈でとらえていくしかない。

 

カウンセラーの主観とクライアントの主観が交流するのが、カウンセリングというもの。

 

その主観と主観が混じり合う交流の間のことを、哲学的には“間主観”というらしい。

 

主観と主観が交流するスペース、そこに本質の世界が現出する???…

 

 

メルロポンティ―という哲学者がそんな話をしているとか…

 

そのメルロポンティ―の哲学に基づくカウンセリングというものを私自身数年に渡って受けたことがある…

 

今でもその本質はよく分かっていないが…

 

 

ゴッホの「ラザロの蘇生」ではイエスのいるべきところには太陽がある…

 

 

 

ひまわりは太陽の化身???

 

救いはひまわりの中にある???

 

そして、ゴッホにとっての救いは日本の浮世絵の中にもある???

 

 

 

ゴッホの絵には、東西の文化を超えた普遍的な何かがある…

 

 

ゴッホの絵を観ながら、

 

そして私なりの主観で考えながら…

 

“間主観”とかいう難しい言葉の意味が、

 

最近少し分かってきたような…

 

 

それにしても、ゴッホの絵は謎めいている…

 

火災で焼失した「芦屋のひまわり」は名探偵コナンにもでてくる。