大阪の藤井寺市にある葛井寺。

「くずいでら」ではなくて、やはり「ふじいでら」と読みます。

昔、近くには近鉄バッファローズの藤井寺球場があった…

葛と藤の区別がなかった奈良天平時代の古刹。

 




ここに日本の知られざる宝魂があります。

国宝“十一面千手千眼観世音菩薩”

御開帳は月に一回。

 




千手観音は日本中のアチコチにありますが、手の数は大抵40本程度…

ところが~ところが~

この葛井寺の観音は、小手が1001本、大手が40本計1041本。

世の中の迷える人々の声(音)を聞き取って、あらゆる方策(手)によって救い出してくれる菩薩様(仏になる前の修行僧)。

そして、掌には目が描かれていて、頭部に十一の小顔~~~

まさに正真正銘の十一面千手千眼観世音菩薩!!!

手抜きは一切なし…


木心乾漆(かんしつ)造り。

木屑と漆を混ぜたもので、表面を盛り上げる、

簡単にいうと、粘土造りみたいなもので、

指の一本一本の細やかな表現もできる。


 

そしてなんといっても、そのお顔に溢れる気品。

 



強さと優雅さ、

大胆さと繊細さ、

男性性と女性性の融合。

日本が世界に誇っていい傑作~~~

 




ヒンズーの神と比較すると…

日本の仏像だけがもつ深みがわかるような…


作者ははっきりとは分かりませんが、一説によれば、東大寺の大仏を造った天才仏師国中公呂(くになかのきみまろ)

今の大仏の頭部は江戸時代に造られたロボット顔~

 



元々の天平時代のお顔は、この葛井寺の十一面千手千眼観世音のお顔のような深い霊性をたたえたものであったのかもしれません。


近くには前方後円墳がたくさんある古墳の故郷。

 



日本の文化とは何かを考えるにふさわしいところ…

そして、葛井寺はその名のとおり、藤の花が美しいところ。

春にまた来たいと思いました。