依存症治療のプログラムとしてキリスト教文化圏から生まれた12ステップのプログラムというものが世界的に広まっています。

依存症の根底にあるのは人間関係の問題であるということで、12ステップの中の第8ステップと第9ステップは自分が傷つけてしまった相手に直接謝罪することを奨励しています。

しかしながら、自分が傷つけた相手に対して謝罪するということは勇気のいることです。

依存症治療の権威であり、私も教えを受けた精神科医斎藤学は、12ステップのプログラムを日本人向けにアレンジして10のステップによるプログラムを独自に作成しています。

それは12ステップの中の第8ステップ、第9ステップにある「人への謝罪」というテーマを省略することで10の項目によって構成されているものなのです。

12ステップの項目として人へ謝罪しなさいと書いてあったとしても現実的にそれができないと自分自身を責めてしまうものです。

特に摂食障害の人はその自責感からさらに過食がひどくなってしまうことがあります。

斎藤医師は人への謝罪という項目をカットしたほうがいいと判断して10のプログラムにアレンジしたのです。