植物の凄さについて | Thera-Projects掲示板

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一般社団法人テラプロジェクトの日々の活動を発信していきます。



智の木協会事務局長を拝命しています大河内です。植物の凄さについて書いてみました。

 智の木協会(https://www.chinoki.jp)は、2008年5月に創設されて以来、植物や植育に関する研究会,シンポジウム,教室などを開催しています。
 また、テラプロジェクトは「植・食と健康に関する新しい産学連携をデザインする」をスローガンとし、智の木協会面々のアイディアを具現化している組織です。

 人類は,植物から食料や衣料品・医薬品などの原料を得てきた。科学技術の発展に伴って,衣料品や医薬品の中には原料が植物に由来しないものも増えた。しかし,食料は全面的に植物に頼っている。生命の維持に不可欠なタンパク質は,植物だけが硝酸やアンモニアから合成できる。動物のタンパク質も、全て植物に由来する。

 空気には窒素ガスが78%含まれているが,窒素ガスは二つの窒素原子が互いに三重結合で強く結びついており植物でも利用できない。



 空気中の窒素ガスは,落雷や地表に露出した酸化チタンよって窒素酸化物が生じ硝酸となる。一方,豆科植物の根に共生する根粒バクテリアは窒素ガスをアンモニアに変換して植物に供給する。
 しかし,自然界で生じる窒素酸化物やアンモニアは少量だった。人類は,十分な水源と肥沃な土地がある時,定住し植物を植え農耕を行った。一方,水源はあるが土地が痩せている時には,動物を放牧して植物のタンパク質を集めさせた。
 水源も十分でなければ,水と植物を求めて動物ともに移動し遊牧によって暮らした。

 そこで,人類はハーバー・ボッシュ法を開発し,人工的に窒素ガスがアンモニアに変換した。ハーバー・ボッシュ法は農業に革命を起こし,人口が爆発した。


*ドイツBASF社にある初期型のアンモニア反応器

 現在,地球上で生じる硝酸やアンモニアの半分は,ハーバー・ボッシュ法によって生まれている。したがって,私たちの体の窒素の半分はハーバー・ボッシュ法に由来している。
 窒素ガスの三重結合を開裂させるためには,高温・高圧が必要で厖大なエネルギーを消費する。人類はハーバー・ボッシュ法のために,全人類消費エネルギーの1〜2%を振り向けている。植物と食物は,エネルギー問題にも大きく関わっている。