入院3日目 | 乳癌の値段

乳癌の値段

2012年6月に若年性乳癌の温存手術したダメ人間によるお金と食生活なんかの話

肋骨の痛みで起床

コルセットか?
こいつが原因なのか?

圧迫しないといけないのは分かるけど
マジで痛い

朝体温を計りに来てくれた看護師さんに
「コルセットものっそい痛いです
どうにかなりませんか?」

と訊ねると
「先生に伝えておきます」
と言われる

そらそーか・・・

30分後くらいに担当のS先生ではない女医さんが現れて
「ちょっと傷みせてくださいね」
と言われたので素直に乳を出し
*コルセット痛くて死ぬ
*風呂に入りたい

というのちを伝えると
「出血は止まってるみたいだし
コルセットはもう外していいですよ
今日暑いしお風呂入りたいよね
いいですよ
洗うときは傷に触らないように丁寧にね」

と言ってくれた

私は何のために
水のいらないシャンプー
ビオレ さらさらパウダーシートを持ってきたのだろうか・・・


とりあえずコルセットが外れたし
無理だと思っていたシャワーの許可もおりたので
シャワー室へ急ぐ
(私が入院していた病棟には大量のシャワー室があり
空いてれば好きなときに好きなだけ使ってよかった)

腋の痛みも完全には治まっていなかったので
病衣を脱ぐのに多少手間取ったが
思いのほか簡単にシャワーを浴びる事が出来た

色々怖かったので右手のみでだったが
頭も洗えた


毎食後に欠かさず鎮痛剤を飲んでいたからか
患部はほぼ痛まなかったが
やはり肋骨(前後共に)の辺りが非常に痛み
血圧を計りに来た看護師さんに聞いてみたら
「手術中に腋を検査するのに
ずっと手を上げた状態だったから
それでかもしれないですね」

と言われ
「熱い痛みなので出来れば冷やしたい」
と伝えると湿布を持って来てくれた



貼ってはくれなかったので
自分で貼ろうと四苦八苦してみたが
貼れても簡単に剥がれてしまうし
早々に諦めた


午後に母と叔母が
夕方には友人がお見舞いに来てくれたので
「ちょっと売店いってきます」
などと看護師さんに言って
一緒に敷地内の喫茶店に行って
お喋りしたり一服したりして過ごした


面会時間を過ぎ
一人で病室で漫画を読んでいると
私服を着た男性がカーテンから覗き込んできた

眼鏡を掛けていなかったので
【???】と誰だか分からずにいると
後ろからS先生が
「お見舞いに来てくれたよ」
と入ってきて
その男性が
「誰だか分かる?」
と心配そうに言う声で
「K先生!ビックリしたよ!」
と言うと笑ってくれた

KクリニックのK先生が来てくれたのだ

恐らく別の用事で来たついでに寄ってくれたのだろうが
とても嬉しかった

そしてS先生は嬉しそうに
「ほら見てよ
この人こんな懐かしいもの持って来てんだよ」

と笑いながら私の禁煙パイポを指差した

K先生も
「こんなのまだ売ってるの???」
と笑うので
「入院の手引きに電子煙草禁止って書いてあったから
すっごい探して買ったんだよ!」

と言うと二人は口を揃えて
「そうなの?知らなかった
と言った

そしてK先生が
「退院すれば吸えるからね」
と笑ってくれたので
【せんせいごめんなさいもう2ほんすいました】
心の中で謝って
「痛む?転移してなくて良かったね」
と続けるK先生に
「うん良かったよ
ありがとうございます
めちゃくちゃ痛くてビックリしてる」

と笑ってみせると
S先生が
「この人あれから離婚したんだよ
苗字違うでしょ
普通この状態で離婚しないよね
若さだね~
あ・もうそんな若くないか」

と全然関係ない話をして笑っていた


そして
「これで後は27日に病理が出て
それから放射線治療とホルモン治療だね
ホルモン治療はKクリニックに戻って続けてもいいよ
うち(大学病院)は外来時間掛かるからね」

とS先生が言うので
「ホルモン治療・・・」
と嫌な顔をしたら
「え?嫌なの?」
と聞き返されたので
「子供産みたいの
産みたくなったから元亭主と離婚したの
これじゃ何の為に離婚したか分かんないよ」

と答えると
K先生が
「とりあえず病理が出てから一緒に考えよう
まずは早く元気にならないと」

と言ってくれたので
「わかった」
と答えながら
放射線治療が終わったら
どんな治療をするにせよ
何を検査するにせよ
Kクリニックで出来ることはKクリニックでしてもらおうと思った

S先生はずっと
「この人手術前笑ってたんだよ」
「この人もうシャワー浴びたんだよ」

とK先生に色々告げ口していた


その晩も
「まだ全然痛いです
全く眠れそうにありません」

と言って鎮痛剤と睡眠導入剤をゲットし
「明日退院出来ますように」
と祈りながら眠った



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