<前回のあらすじ>
昨年12月、新宿からバスに乗って名古屋に着いて、食って飲んで、
リニモに乗って、東山動物園に行った。
で、ここから今回です。前回の記事からだいぶん経ってしまいましたが…、
東山動物園から、地下鉄東山線とあおなみ線を乗り継いでやってきたのは、もちろん…、
名古屋競馬場!
この競馬場には、以前に一度だけきたことがあるんですが、それは2002年の6月のことですから、なんと16年ぶり…。
いや、年取ると時間がたつのが早いので、ウカウカしているうちに16年も過ぎちゃいました。
その間も、何度か名古屋にはきていたんですが、他の用事があったり、名古屋競馬の開催日に合わなかったりで、なかなかこられなかったんですよねー。
正直言って、16年前のことはあんまり覚えていないんですが、
なんかごく普通の、よくある住宅地の中にある競馬場だなー、という印象がありました。
それと、宮下瞳騎手がすごい人気だったことは、よく覚えてます。
パドックにでてくるたびに、瞳!瞳!という、オジサンたちの熱い声援が飛んでましたっけ。
あらためて調べてみると、2002年当時の宮下瞳騎手はデビュー8年目で、この頃はだいたい年間40勝くらいのペースで勝っていたんですね。この年に、通算200勝を達成してます。
これくらい勝つ騎手だと、もう女性騎手だからとかなんとかは別として、馬券戦略からはずせない存在ですし、人気だけでなく、実力も十分に認められていた頃ではないかと思います。
皆さまもご存じのとおり、宮下瞳騎手はその後、ますます腕を磨いて、日本の女性騎手の最多勝記録を塗り替えて、それからもさらに勝利を積み重ねて、韓国でも活躍して、一度引退して、今度は日本初のママさん騎手として復帰して、しかも、復帰後も以前におとらぬ活躍ぶりというわけですから、もう大変なんすから…。
これはもう、尊敬するしかないです。リスペクトです。
それにくらべて、私はこの16年間、いったい何をやっていたんだろう…?
いや、そんなことはどうでもいいんです。
16年前の名古屋競馬場のことで、もうひとつ思い出すのは、馬券がさっぱり当たらなかったことです。
そして、16年ぶりに訪れた今回も、当てる自信はまったくありませんでした。
じゃ、どの競馬場なら自信があるんだよ?
そうきかれると困りますので、それはきかないでください。
何しろ最近は、全国のどの競馬場の馬券でも、自宅にいながらにして買えてしまうという、おそろしい世の中ですから、
私も、日頃から名古屋競馬の馬券を買うことはよくあります。よくあるのですが…、
まー、さっぱり当たりませんな!
地方競馬ファンの皆さまはご存じのとおり、名古屋競馬は基本的にカタい決着が多いのです。もうガチガチです。カッチカチです。
1番人気の勝率は軽く50%超え。単勝配当は定価110円。
複勝は2着まで元返しが当たり前で、複勝で配当が付けば御の字。そんな世界です。
馬単で200円切る配当もフツーです。2点買いですらガミるのです。
しかし、普段がそんな感じだけに、いったん荒れだすともう、大変なことになるのです。
10頭立てでも単勝万馬券とか、それはもうすごい配当が付きます。
もちろん、そんな大穴はひとつもでない日のほうがずっと多いんですが、
穴党としては、カッチカチのほうより、一発長打でカキーン!のほうを、どうしても狙ってしまう…。
そしてブンブン振り回して大ハズレの連続で、気づけば全打席三振…。
それが、私の名古屋での典型的な負けパターンです。名古屋あるあるです。
ですから、今回もそうなるような気がしてならなかったのです。
だから、ひさしぶりに名古屋競馬場に行けることはとても楽しみだったんですが、
馬券が取れるイメージはまったくなかったです。
そして、私の経験上、馬券というものはなかなか当たりにくいのですが、
いやな予感というものは、とても当たりやすいのです。
そんな不安を抱えつつ、私は16年ぶりに、名古屋競馬場の門をくぐったのでした。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
競馬場に着いたのは昼前くらいで、4Rのパドック周回中でした。
手始めにちょっと馬券を買って、まずはコースに出てみた。
白い砂がまぶしい!
白さと香りのニュービーズですね。
4Rは丸野騎手のアメリカンエースが6馬身差をつけて逃げ切り。
私は大畑騎手のサウスコンサート(4着)を軸に勝負して大ハズレ。
早くも、いやな予感的中の気配…。
しかし、まだまだ勝負はこれからです!
まずは心を落ち着けて…、
有名なヤギさんたち(ポテト&チップ)とご対面。
しかし、このヤギさんたちは、日頃からうまいもんばかり食ってるせいか、よく肥えてますなー。
こんなに太ったヤギを見るのは初めてでした。
でも、せまいスペースの中で、小刻みにぴょんこぴょんこと走る姿がかわいらしかった。
アイ。
本格的な勝負の前に、まずは腹ごしらえというわけで、
当競馬場常連の方にすすめていただいた、食堂「当たり屋」のどてめしをいただきました。
んまー!
いや…、でらうみゃーでかんわ!
いわゆるモツ(ホルモン)じゃなくて、バラ肉を使ったどて煮なのが、この店の特徴だそうです。
なるほど、そりゃ、うまいわけですな。
しかし、この味はやっぱり、大鍋で大量に煮込まないと出ないうまさなんでしょうね。
当たり屋という屋号がまたいいですねー。しかし、ご利益はあるのか?
当たり屋は、競馬場の正門を入ってすぐのところに、左右に数軒ずつ並んだ半屋台ふうの食堂のうちの1軒でした。
こういう半屋台ふうの食堂街は、以前はどの地方競馬場にもあった、地方競馬の名物のひとつだと思いますが、名古屋競馬場の食堂もすばらしい!
今はもうなくなってしまった、福山競馬場や荒尾競馬場の食堂も思い出させる風景でした。
できれば、全部の店をハシゴして、どて煮の食べくらべでもしてみたいくらいでしたが、年取るとそんなに食えないもので…。
腹ごしらえも済んだ頃、どこからか聞こえてくるのは…、
タララッタタ、タララッタタ、タララッタタタタターター♪
そう、地方競馬ファンにはおなじみの、名古屋競馬の発売締切り前に流れる曲です。
カタカナで書かれてもわかりにくいと思うので…、
ご存じない方は、この動画の4分8秒あたりから流れる曲を、ぜひきいてみてください。
いや、ご存じの方も、あらためてきいてみてくださるとうれしいです。
この曲がまた、結構味わいがあるんです。
地方競馬場ではたいてい、馬券の発売締切り3分前くらいから何かきまった曲が流れることになっていますが、その中でも、名古屋競馬場のこの曲が、私はとても好きなのです。
これを生で聞けただけで、もう感動モノでした。いやそれはおおげさか。でも、なんかわくわくしてきました。
どこがそんなにいいのかというとですね…、
この曲は、「軽騎兵 序曲」というクラシックの曲の一部の、行進曲っぽい部分なんですが、
その曲をアレンジした名古屋競馬場の締切り前BGMは、よく聞くと、
フルート(リコーダー?) → トランペット → 鉄琴 → フルート
みたいな感じに、いくつかの違う楽器がかわるがわるリードを取るという、音楽的にとても凝ったつくりになっているんです。
実際には、フルートやトランペットに似せた電子音だと思いますが、こういう細かいところにこだわって、力を入れているところがすばらしい!
やっつけ仕事じゃなくて、愛があるんですよ。だから、何度きいても飽きないんですねー。
タララッタタ、タララッタタ、タララッタタタタターター♪
ラッタタッタ、ラッタタッタ、タタタタタタター♪ ドドン!
の、ドドン!のとこが、またいいんですよねー。
実は、大井競馬場の昼開催のときの締切り前にも同じ曲が流れるんですが、大井のは演奏時間も短いし、アレンジもそっけないものです。名古屋のほうが全然勝ってます。
締切り前BGMで、もうひとつ好きなのが、ばんえいの帯広競馬場で流れる『草競馬』なんですが、そちらも、名古屋の『軽騎兵』と同じような、凝ったつくりになっています。
この2曲が、地方競馬締切り前BGM界を代表する2大傑作であると、私は断言したい!
おっと…、ついBGMの話が長くなってしまいましたが、
名古屋競馬場の魅力を余すところなくお伝えしようとすると、私にとって、これもはずせない話題のひとつだったので…。
また記事が長くなってきたので、この続きは次回!
去年の話を書き終わるのにいつまでかかってるんだよ!って話ですが…。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
今年は通算800勝達成が実現しそうな宮下瞳騎手。もう、1000勝いっちゃいましょう!