ハルノハジマリ (Re) | 空想dejavu  明鏡ゆらぎのひとりごと-

          ハルノハジマリ (Re)

昨晩はなかなかスゴイ雪でした(++;
積もるかなって思ったけど 起きてみるとそうでもなかった(笑)
でも 今日は凍結・積雪に気をつけないとですね(^^!!













『ハルノハジマリ』




                 明鏡ゆらぎ












片耳短いうさぎが今日も森でひとり





仲間には仲間扱いされずに 生きていた









この森は雪しか降らない 陽差しは届かない



太陽の存在すら もう誰も知らなかった











仲間外れの彼は それすら気付いてない



たまたま今日はひとりで たまたま昨日もひとり








 誰かが困っていたら 優しく声をかける
 


 誰かが泣いていたのなら 自然と一緒に泣いた










「見てみろ片耳のやつに 近寄ると不幸になる」



そんな言葉よりも 村の平和が嬉しかった














―在る日 森に侵入者―  




悪魔の筒をもって




ギラついた目で 獲物を探してる











聴こえた 解った 彼等の話す言葉が




蘇る 駆け巡る 遥か遠い日の記憶








狙いは 僕だけじゃない



みんなを 村ごと 削る気なんだ








 一気に林を駆け抜けて
   みんなもとへと ひたすら走った
       枝にカラダを切りつけながら
          ひたすら彼はみんなのもとへ・・・走った



















― 初めは仲間と同じ 耳は揃っていた



母親にいつも 抱きついて温もりの中







雪の止み間に偶然 森の向こうに出た



気付いた時 もうそこには別の世界があった









 一瞬 凍りつく 母親の叫び声


 
 そっちの世界は 言葉の違う世界






 走った 探した 母親の温もりを



  見付けた だんだん 冷たくなっていく母親を









奴等を憎む彼の形相 そ

れを見て母は声を絞った 

あなたは誰も恨んではいけない 

恨みは先に恨みしか生まない



この森には いつも太陽がないから

あなたが放つ温もりそれが
太陽の存在

願いを込めて あなたに付けた 名前・・・








母は冷たくなった 彼は泣き続けた


 
温もりを刻むため片耳を母の墓標にした ―


















いつものように戯れる みんなが見えてきた



早く隠れて もうすぐ奴等がくるんだ






僕には 聴こえた この村を狙ってる



誰もが耳を 傾けることはなかった







どうする どうする 奴等が近づいてくる





彼は みんなに 微笑み残したその目に



いつもの村の景色を焼き付けて走り去った・・・・


















村はいつものように 何も変わりはない



昨日と何も変わらずに 平和そのものだった






まもなく遠くで微かに響く 悪魔の筒の音



彼は必死に逃げ回り 村から離れてく







村は今も昨日と 変わらない村のまま



彼は空を見上げて嬉しそうに笑った










 良かった良かった 母親の温もり



 繋いだ 繋いだ この村に残せた












まもなく遊んでる仲間が偶然



冷たくなってく彼を見付けた









初めて仲間はみんなで泣いた

すべてを悟って心から泣いた

本当の温もり届いて泣いた










彼は震える声 絞って語りかける



悲しみだけの悲しみなんて絶対にないから



村は明日も変わらずあるから



僕はこの村が好きだから



僕はいつもみんなといるんだから・・・










微笑んだまま冷たくなった



彼を村の入り口に埋めて



誰もが仲間の証に自分の片耳捧げた時



まもなく雪の止み間に微かに




陽が差した









この世界に初めての陽だまり揺れる




彼の墓標には書かれた名前は





                  ・・・・・・・「春」










―セカイニ キセツガ フエタ  ソレデモ マダ




   セカイニ キセツガ フタツシカナイ ジダイノ ハナシー







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