おはようございます!
つぎたにあきです。
料理本を4冊紹介するという「料理本バトン」、
Instagramで、大好きな先輩からまわってきました。
せっかくなので、
こちらのブログでは、もうすこしじっくりと紹介してみます。
選んだのはこちらの4冊。
では、
さっそく始めたいと思います。
【1冊目】
1996年に40日間ほどかけてアメリカぶらぶら旅したときによく食べたタコ
あのころのわたしたちは、
時間はあるがお金はない!
そんなふうな若者2人。
ひとつの街に着いたら本屋に行き、
ガイドブックをぱらぱらめくっては、
「次はどこにいく?」
と、
そんな感じでカナダやアメリカを
夜行バスや長距離列車で気ままに回り、
旅の最後の街と決めたLAについてからというもの、
どこぞのバリューセットよろしく、
安くてボリュームのあるタコスチェーン店のセットメニューばかりを食べていました。
その頃食べたことのあるタコスといえばハードシェルのものばかりで、
ソフトタイプのトルティーヤを食べたことがなかったのです。
あまりのおいしさに滞在中通い詰め、
帰国後は、その時のソフト(フラワー(小麦粉))トルティーヤを再現したく、
メキシコ料理本を探すため、
すぐに大型書店へと向かったのでした。
が、
当時、
イタリア料理やフランス料理などの本はたくさんあれど、
メキシコ料理の本なんて、いまのようにいくつもなく、
ようやく見つけた、”小麦粉でつくるトルティーヤのレシピ”がのっていたメキシコ料理本が唯一これだったのでした。
その後、
2000年にオープンしたお店でさっそくタコスを出すも、
”これ、どこにタコあんのん?”
と、
『
竹内海南江著/1996年発行
【2冊目】
専門学校などで学んだこともなく、
特別な技術や知識も持たないままお店をはじめ、
たくさんの点と点を集めるように気になるレシピを膨大に試すうちに、
おぼろげに、点と点がつながってきたり、
点と点との関連や仕組みが見え隠れするようになりました。
ある時、
同じ組み合わせの材料を使っても、
その国の油脂(オリーブ油やゴマ油など)、
その国のお酒(ワインや紹興酒や日本酒など)、
でまとめ上げることで、
それぞれその国の料理に仕上がる。
たとえばシンプルに茄子を炒めてみるとしよう。
オリーブ油で炒め、ワインで風味をつけ、塩で味を調えるとイタリア風になる。
あとはアクセサリーやベルトを選ぶように、
ここにニンニクやアンチョビを加えるとか、
黒胡椒やハーブを散らすなどすればよりそれらしくなる。
クセのない油で炒め、日本酒で風味をつけ、味噌で炒め合わせれば、簡単な和風の総菜ができる。
あとはゴマだとか刻んだネギだとかを付け加えれば、
より米に合う料理らしくなる。
同じ素材でも、こんなふうに。
そういう原則は、
料理においてはごく当たり前のことだが、
レシピひとつひとつを追うのではなく、
その奥にある仕組みや組立の考え方をおもしろ楽しく書いてある本です。
”各種の料理は実はひとつの同じ料理なのだ。色即是空、
干物とは、
(風と)太陽という熱源を使った、一種の強火の遠火料理だ。
などという考え方もおもしろい。
『料理の四面体』玉村豊男著/昭和55年発行
【3冊目】
料理の日々の中、
お茶席での懐石料理なんて
きちんと正式に食べたこともないし、作ったこともないけれど、
ひょんなことからこの方の存在を知ることとなり夢中になります。
辻留の辻嘉一さん。
様々な器に料理を盛りつけ、
料理と器と盛りつけの関係を、
もちろん、
盛りつけはセンスあってこそなんだとは思うんだけど、
”センス”というなんとなくの感覚のようなことを、
だれもが理解し練習できるように、
スッとわかりやすい言葉で書き表してくれています。
センスは、
じっくりと観察し、意識して繰り返し練習すれば体得することができるもの。
とも思わせてくれます。
”形は深さのある皿形です。
料理の作り方や盛りつけ方などの実践的なことはもちろんのこと、
こんなふうに平易な言葉で誰にでもわかりやすく伝えてくれている
私にとっては、”料理を”というものを通して、
『別冊暮しの手帖No.1 辻留の和食器入門 料理を想いうかべながら器を考える』1979年発行
【4冊目】
お店を辞めるときに大量に処分し、
1/3ほどになった我が家の本棚の中では比較的新しいものです。
この本で、
・豆腐に’す’が立つまで10分間煮る麻婆豆腐、
・肉のみに味付けしてつくる回鍋肉、
どちらもすごくおいしく仕上がります。
あと、
・にんじんの春巻きも。
おしゃれすぎる料理家さんのレシピは、
素材の味を生かしすぎていて、仕上がりが素材の味すぎることがあり、
米やほかのおかずとともに食べる家庭料理としては、
もう少し良い塩梅にしてほしいなと感じられることもたまにありますが 笑、
こちらのレシピで作る麻婆豆腐や回鍋肉は、
米やほかのおかずともに
いつもおいしくいただいています。
お店をやめ、
そこに驚きや複雑さを、いまはもう求めてはいないのです。
そんな感覚にフィットする今の1冊。
『ウー・ウェンさんの定番献立 家庭料理が教えてくれる大切なこと』ウー・ウェン著/
そして、
次にわたしがバトンをわたしたのは、
大阪・中津の小さなお仕立て屋「Ston」として活動するエムちゃんです。
毎年恒例の秋キャンプでいつも素敵な料理をふるまってくれる彼女の選ぶ本が気になります。
たのしみです。
そして、
これとはまた別の流れで、
「7日間ブックチャレンジ」というものがまわってきました。
これもまた、
1冊ずつこちらのブログでじっくりと紹介していきたいと思います。
最後まで読んでくれてありがとう。
今日もなにかおいしいものをひとつ。
Flow Life Labo AKI TSUGITANI