アンティークのドアを押し開けたら、凄腕バリスタの姿が目に入った。
やった、今日はついてる!
「ひさしぶりですね。今日はどうしますか?」
「えーとホットで、エチオピアのウォッシュドをお願いします」と言ってから、なんでナチュラルって言わなかったのかな?とおどろいた。そら、考えなしやからや。
カップとピッチャーをサーブしながら「今日は、正直、ナチュラルよりもこちらのウォッシュドのほうが良い感じなんです」とバリスタがおっしゃる。
「そうなんですねー」と答えながら、おどろきの伏線を回収した。
本日の知覚過敏によるフレーバーは、喉と鼻の奥に消毒用のアルコールスプレーをプッシュしたようなにおい。これで、ちょっとはマシになっているのだろうか。
エチオピアのシダモ地区のウォッシュド。
ピッチャーからふわんと立ちのぼる香りが、まさにレモンティー。ひとくち目を啜る直前、くちびるに当たる感じがとてもやわらかかった。
喉の奥でかすかに感じるビター感は、コーヒーのフレーバーなのか、知覚過敏の賜物なのか。んー、区別がつかないのがちょっと。
カップに残る香りは、シロップのようだった。
飲み終えて、プロフィールに目を通す。Lemonade,Grapefruit,Jasmine,Peach,Lemon tea,Candy.
あ、わりとキャッチできたかも。ビター感は、グレープフルーツのフレーバーだったみたい。じゃあ、大丈夫かな。
上を向くと、レモンティーの香りが鼻に抜けていった。
いつもなら嬉しく感じるはずの、豆を焙煎する香りが、小豆を炊いているように感じる。
そんなにすぐに本調子には戻らないか。まぁ、しゃーないな。それでもだいぶ症状が軽くなってきた。
近々、イエメン産が入荷するとバリスタからうかがった。
これはっ!アラブのえらいお坊さんの処方、ど真ん中じゃん。
具合悪うなったら、飲めばええやろ。て、あほや。 ほんまもんの、あほや。
よそで言わんといてな。あほ治す気、のうなってん。
それはそーと。
わたしは、余計なものを受け取りすぎていた。
先様のご厚意だろうがなんだろうが、不要なものは受け取らない。という感覚を、少しずつ思い出しはじめた。
たぶんこれは「腸のお作法」の影響。それが、いたるところに及んでいる、そして現れてきている。
さて、ランチは、娘のリクエストでナポリタン。
以前、スパイラルの催事で食べたナポリタンがものすっごく気に入って、それから海老を入れるようになった。
最近気に入っている、フルーツとミニモッツァレラチーズのサラダを添えて。娘はブラックペッパーやはちみつをかけて食べるけれど、わたしはそのままで。