芳醇な映画を観たように思える小説というのがある。
…そして、染み入る小説を読んだように思える映画というのも…ある。
『パーク アンド ラブホテル』
屋上にベンチやブランコやらを備えた小さな公園(?)のあるラブホテルを経営する60歳手前の艶子。
そしてそのホテルに足を踏み入れることになる3人の女性。
彼女らはそれぞれ抱えているものがあり、その出会いによって……
解き放たれていく彼女らの心を都会の不思議な安息地とともに描いたオムニバス形式の作品。
脚本をそのままに地と人を移せば、ヨーロッパ圏の映画のような空気感を持つ。
設定だけを見ると都会の中に現れたオアシスを舞台にしたファンタジーのようにも思われるが、淡白な映像やムダや無理のないセリフは現実感を持ち、あまり説明的にならないのが観る者の想像力をかき立て<パーク アンド ラブホテル>の世界に引き込む魅力ある映画に仕上げてくれている。
中心的な人物になる艶子(りりィ)の突き放したような無愛想な物言いや接し方は彼女の優しさそのものに感じてくる。
その存在感はホテルの屋上の公園と同じくらい惹かれましたよ。
他の3人の女性も添え物にならず、艶子との関わりによって自身が何かに気づき自らの歩を進めることができるようになる人物像が見えてくるのもヨカッタですよ。
最初にホテルを訪れる少女美香にまつわるシークエンスは特に響きましたね。
次の主婦・月を演じた<ちはる>っていうタレントさんは普段は苦手なんだけど、ここでは適役で、吐露するシーンはヨカッタ。
最後のホテル常連客・マリカにまつわるシークエンスは、その前提となる説明がもう少し欲しかったかなッ…。関西の人しかわからないだろうけど、演じたのは<元おけいはん>だそうです。
それぞれが抱えているものがあるという状況があるだけに重苦しくなるところだけど、何度も現れる屋上の公園のシーンが解放感をもたらし、そこに出てくる男の子たちが(笑)をくれるので、印象を明るくしていますよ。
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