TCS Command Rules supplementary edition(増補版) (11)

 

ルール化(最終回)
 

増補対象と明確化対象の項目について、検討と確認が終わりましたので、いよいよルール化したいと思います。

参考にする資料は、継続して以下のとおりです。

 

引用)

The Gamers Archive MMP site

TACTICAL COMBAT SERIES SUPPORT : Ops Article on TCS Op Sheets

The Gamers Magazine Issue #23 Winter 1996, 

"TCS Opsheets: Down -n- Dirty, TCS, Lee Forester"

 

 

参考資料:

Field Manual (FM) 1-02 "OPERATIONALTERMS AND GRAPHICS"
 (HEADQUARTERS DEPARTMENT OF THE ARMY), Sep. 2004

 

Field Manual (FM) 3-90 "TACTICS" 

 (HEADQUARTERS DEPARTMENT OF THE ARMY), Jul. 2001

 

 

一連の書き込みの初期に出てきた通り、TCSのコマンドルールの目的は明確です。

TCS Rules v4.02
6.0 Command

 The command rules impose realistic limits on the players’ ability to rapidly change missions. Create Op Sheets to define your objectives. The units on an Op Sheet must execute the mission on that sheet until they accomplish the mission, they are reassigned, or the player cancels the Op Sheet.

コマンド ルールは、ミッションを迅速に変更するプレイヤーの能力に現実的な制限を課します。 Op Sheetを作成して目標を定義します。 Op Sheet上のユニットは、ミッションを達成するか、再割り当てされるか、プレイヤーがOp Sheetをキャンセルするまで、そのシート上のミッションを実行する必要があります。

 

また、引用記事にも書かれている通り、オペレーション・シート(Op Sheet)は、次のようにプレイヤーの能力に制約を課します。

The mission types (Attack, Hasty Defense, Prepared Defense, Move) dictate what types of activities units may undertake, and the graphic on the Op Sheet will restrict the part of the map they can operate on.

①ミッション タイプ (Attack, Hasty Defense, Prepared Defense, Move) によって、ユニットが実行できる活動の種類が決まり、

②作戦シート上のグラフィックによって、ユニットが活動できるマップの部分が制限されます。

 

前回の「Op Sheet上のグラフィックによるユニット活動エリアの制限(上級指揮官として)」に続いて、現場指揮官レベルでのマップ上におけるユニットによる活動エリアの制限に関するルールです。こちらはペナルティーがメインになります。

 

Op Sheet上のグラフィックによるユニット活動エリアの制限(現場指揮官編)

(前回からの引用)

引用している"Lee Forester"の記事にあるとおり、この活動エリアの制限は、この時代の実戦における現場レベルのモバイルコミュニケーション機能の低さによる同士討ちを避けることが大きな目的であるとの前提から、そういった部分のみを増補の対象とします。

また、作戦の成否に重要な事項と思われる項目(進攻ルートや攻撃開始時刻など)についても、同様に増補の対象とします。

 

こちらの制限は、前出のOp Sheet上の制限ではないため、現場指揮官としてもプレイヤーが制限を守るべくプレイする必要があり、多くの場合、ペナルティーが用意されます。

そして、そのペナルティーの主旨は、上述2点、「同士討ち」と「作戦への悪影響」です。

ただし、用意される具体的なペナルティーは、すでにTCSのルールで機能しているものだけが採用されます。(射撃不可 や Failure Instruction / Unassigned の状態など)

 

おもな、ペナルティー項目は以下のとおりです。

  1. Lateral Boundaryによる移動と射撃の制限
  2. Lateral Boundaryの変更手順
  3. 最大Unit frontagesの制限
  4. Attack Mission Op SheetにおけるLDとPLDの通過義務と制限
  5. Axis of Advanceの設定幅の制限
  6. 夜間における移動ルート制限(Direction of Advance)
  7. 攻撃開始時刻の遵守
 
 

ペナルティーの対象となるグラフィックスとペナルティー

  • Lateral Boundary
    • Failure InstructionやPreliminary instructionが実行されているケース以外は、各部隊がその境界を超えてはならない。
    • 設定されたその部隊自身の適切なLateral Boundary内に居ない部隊は、自分のLateral Boundaryに戻るまで、SFAを行うことができない。
    • 射撃制限(”①のみ”又は”①+②”のどちらかを採用する)
    • ①自部隊の境界内に、境界外の敵から射撃されたケースでのReturning Overwatch Fire以外は、自部隊の境界線を越えて射撃してはならない。
      [境界外へ可能な射撃]
        ・Movement based OW :OW Return Fire[15.1a]
        ・Fire based OW :OW fire against one fireing hex[15.1b]
        ・Final OW(Assault/Ocerrun) :OW fire[15.1.d]
    • ②その他の自部隊の境界を越えての射撃(砲撃観測含む)はPRDR※に
         成功すれば実施できる。"
        ・Aircraft & Artillery Phase / Action Phaseに判定する。
        ・判定は行動毎に行い、一つの目標に対する同種行動で行える
         判定は1回のみ。
         (1つのArillery missionに対するobservation判定は、どの
          ユニットで行おうが1回のみ等)"
        ※Prep Rating Die Roll;
          6D1 ≧ Command Prep Rating Number
" 
 
その他、以下の通りまとめました。
 
しばらく、この資料でプレイしてみて、改善していけたらと思っています。
 
無いとは思いますが、プレイ用資料としてエクセルでまとめてありますので、興味のある方やお問い合わせ等がありましたら、ブログに書き込んでいただけると嬉しいです。
また、TCSをお持ちで、未プレイの方はぜひ対戦相手としてお問い合わせください。
私自身は現在、中部地区に住んでいますので、全国どこでも参上いたします(笑)。
 
TCSは古い戦術級ゲームシステムであるため、新しい戦術級ゲームのシステムには劣るかもしれません。しかしながら、作戦における長い時間(ターン)をプレイできるという点で見直されることを期待しています。そして、Command Rulesは、その作戦を(ゲーム上で)長時間プレイされることで、本領を発揮できるシステムです。
特に、国内でこのホビーで実現されずらいプレイし倒すということが求められるシリーズの一つだと思います。
 
    

おわり