TCS Command Rules supplementary edition(増補版) (10)

 

ルール化に向けて
 

増補対象と明確化対象の項目について、検討と確認が終わりましたので、いよいよルール化したいと思います。

参考にする資料は、継続して以下のとおりです。

 

引用)

The Gamers Archive MMP site

TACTICAL COMBAT SERIES SUPPORT : Ops Article on TCS Op Sheets

The Gamers Magazine Issue #23 Winter 1996, 

"TCS Opsheets: Down -n- Dirty, TCS, Lee Forester"

 

 

参考資料:

Field Manual (FM) 1-02 "OPERATIONALTERMS AND GRAPHICS"
 (HEADQUARTERS DEPARTMENT OF THE ARMY), Sep. 2004

 

Field Manual (FM) 3-90 "TACTICS" 

 (HEADQUARTERS DEPARTMENT OF THE ARMY), Jul. 2001

 

 

一連の書き込みの初期に出てきた通り、TCSのコマンドルールの目的は明確です。

TCS Rules v4.02
6.0 Command

 The command rules impose realistic limits on the players’ ability to rapidly change missions. Create Op Sheets to define your objectives. The units on an Op Sheet must execute the mission on that sheet until they accomplish the mission, they are reassigned, or the player cancels the Op Sheet.

コマンド ルールは、ミッションを迅速に変更するプレイヤーの能力に現実的な制限を課します。 Op Sheetを作成して目標を定義します。 Op Sheet上のユニットは、ミッションを達成するか、再割り当てされるか、プレイヤーがOp Sheetをキャンセルするまで、そのシート上のミッションを実行する必要があります。

 

また、引用記事にも書かれている通り、オペレーション・シート(Op Sheet)は、次のようにプレイヤーの能力に制約を課します。

The mission types (Attack, Hasty Defense, Prepared Defense, Move) dictate what types of activities units may undertake, and the graphic on the Op Sheet will restrict the part of the map they can operate on.

①ミッション タイプ (Attack, Hasty Defense, Prepared Defense, Move) によって、ユニットが実行できる活動の種類が決まり、

②作戦シート上のグラフィックによって、ユニットが活動できるマップの部分が制限されます。

 

前回の「Op Sheetのミッションタイプによる活動制限」に続いて、マップ上におけるユニットによる活動エリアの制限に関するルールです。
 

 

Op Sheet上のグラフィックによるユニット活動エリアの制限

引用している"Lee Forester"の記事にあるとおり、この活動エリアの制限は、この時代の実戦における現場レベルのモバイルコミュニケーション機能の低さによる同士討ちを避けることが大きな目的であるとの前提から、そういった部分のみを増補の対象とします。

また、作戦の成否に重要な事項と思われる項目(進攻ルートや攻撃開始時刻など)についても、同様に増補の対象とします。

 

こちらの制限は、前出のOp Sheet上の制限ではないため、現場指揮官としてもプレイヤーが制限を守るべくプレイする必要があり、多くの場合、ペナルティーが用意されます。

そして、そのペナルティーの主旨は、上述2点、「同士討ち」と「作戦への悪影響」です。

ただし、用意される具体的なペナルティーは、すでにTCSのルールで機能しているものだけが採用されます。(射撃不可 や Failure Instruction / Unassigned の状態など)

 

グラフィックスの描き方ルール

まずは、上級指揮官としてのプレイヤーが守るべき「グラフィックス」の書き方のルールです。

こちらのルールも書き方のルールですので、故意にルールを破る以外には、両プレイヤーの事前の確認で守るられることが前提ですので、一般ルール同様にプレイ上のペナルティーの 設定は不要です。

  • Unit Location
    • そのOp Sheetの命令を開始する時点の部隊位置を示す
    • ゲーム開始時に実行状態にあるOp Sheetでは初期配置となり、プレイ途中で作成されたOp Sheetでは、想定される部隊位置となる
    • 大きさは自由、部隊名と部隊規模を記載する
    • 移動ルートを記載する際の出発点の意味を持つ

       
  • Objective[v4.02 6.6e]
    • 大きさは自由、目的又は呼称を記載
    • 移動ルートを記載する際の到着点の意味を持つ

      .
  • Lateral Boundary
    • 大隊や中隊規模で境界を設定し、規模を記載
    • 境界線はできるだけ直線とし、線の両端および曲点ヘクスを記載
    • 防御時の前線幅は、中隊で最大4ヘクス、大隊で最大8ヘクスとする
    • ヘクスの数え方は境界線同士を平行線と見立てた時の距離とする
    • 最大前線幅をとった場合の境界線は、最大幅ヘクスの両外側ヘクスに引く
    • つまり、中隊境界線を含めた前線幅の最大は6ヘクスとなる
    • 境界線の引かれた両側ヘクスは、両隣の中隊と共有することになる
 
  • Attack Time
    • 時刻又はターン数をPlase Lineに記載
      例: [Attack 0700]、[Attack Turn 7]、[Attack N+3 turn]等
      Phase Line上に記載する
  • Axis of Advance/Direction of Advance

    • ユニットグループのformation 又は、element毎に、Unit Location(現在位置)から、Cbjectiveに向かうルート

    • 夜間は移動の困難さから、Direction of Advanceを用いる

    • 描画する場合には、
      ① ルートをヘクス指定の1本線で描画する
      ② それをルートの中心とし、夜間移動ではDirection of Advanceとする
      ③ 昼間の移動では、それを中心にして、
        Companyレベルでは最大3ヘクス、
        Battalion レベルは最大5ヘクスを移動幅とする

    • ユニットは移動経路で描画された帯の中を自由に移動できる

    • 夜間は指定された1本のルート(Direction of Advance)上のみ移動ができる

 
  • Line of Departure(LD)

    • Implemet状態となったユニットグループの全ての部隊が通過するスタートライン

    • ラインは直線とし、両端のヘクスを記載する

    • 部隊を指定して、複数のラインを設定することも可能

 

  • Probable Line of Deployment(PLD)

    • 攻撃を開始する前に、部隊を攻撃陣形に完全に展開する予定の場所として指定するPhase Line

    • 攻撃開始や参加の判定ラインとなる

 

最後に、ルールとしてのグラフィックスとペナルティーについてです。

 

 

つづく