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★scene6★
ここは……どこ?
私は……誰?
目を開くと、あたり一面に広がる銀世界
……じゃなくて、白い天井。
どうやら俺は気絶していたらしい。
すぐそばで、俺の股関を蹴り上げた少女がベッドに腰掛けていた。
机に置いてあったシルクハットを大切そうに両手で抱えている。
俺は寝転んだ姿勢のまま、時間を確認する。
17時46分……
「起きて、早く」
「ぐほぉぉぉぉッ!」
何が気に入らないのか、少女、突然ベッドから飛び降りて俺の腹を踏みつけやがったwwwwww効果は抜群だぁ!!!!!
「……目、覚めた?」
「あぁ、おかげさまで……」
体重は軽そうだけど、腹を勢いよく踏まれたせいですんげぇ痛いwww
「もうすぐ、始まる」
「え……何が?」
「…………入学式」
「あぁ……そういえば」
俺は立ち上がり、もう一度携帯を開く。
現在、17時46分。
2時間ダウンしてましたwww
これは現実のようですwwwwww
「名前は?」
「名前を聞くときは自らの名前を言うのが先……」
グニュッ
「って痛い痛い!相原正義ですぅぅぅッ!」
こんな投げやりな自己紹介は初めてだwww名乗らなかったら足を踏むとかwww理不尽すぎるwwwwww
「矢灘零奈(やなだれいな)」
「それ、名前、だよね?」
これ以上踏まれたり蹴られたりしたらたまらないので、慎重に言葉を選ぶ。
その結果、少女みたいに片言な言葉になった。
少女はこの言葉に対して何も言わず、代わりに首を縦に振った。
「じゃぁ、零奈ちゃんって呼んでいいか?」
呼び捨てにすると手ならぬ足を出されそうで、
ぱっと見年下に見えるから『ちゃん』づけにしてみましたwww
「……別に」
沢尻エリカかお前わwwwwww
だけど反応は悪くないみたいだ。
足踏まれてないし。
「時間がない、行くわよ、ジャスティス」
零奈ちゃんは俺の腕をつかみ走り出した。
「あの、零奈ちゃん……(ゴンッ)今、俺のこt(ガンッ)、何で俺、ジャスティス(ダンッ)呼んだの?」
部屋を出るまでに3回壁やドアに頭を打ちましたwww不可抗力というヤツですwwwwww
「おじいちゃん、名前、まさよし。
せいぎ、って漢字を書いてまさよし」
なんという偶然wwwwwwだからまさよしって名前を『正義』に変換することができ、俺をジャスティスって呼んだのかwwwしかし零奈ちゃんまさかのおじいちゃんっ娘ですかwww可愛いのぉwwwwwww
しかし全然悪くねぇな、同じ部屋のヤツ全員にジャスティスと呼んでもらおう。
とか考えているうちに全力で走っていた零奈ちゃんが急停止する。
ガンッ
俺、止まることができずエレベーターの扉に激突。
4度目になると痛さに慣れるっていうwww
チーン
と同時にエレベーターの扉が開く。
中には女の人(少女と表現するよりはレディーのほうがしっくりくる)がいた。
身長は俺と零奈ちゃんの中間くらいで、赤い髪のロールがなんとも印象的だ。
「君たち、新入生?」
髪以上に赤い、柔らかな唇が動く。
「は、はい」
「そう……
二人は友だちなの?」
赤髪のレディーは俺たち二人を指差す。
「ここ(学園)で初めて出会いました。
部屋に俺たち二人しかいなかったんで……」
確かに男女二人ですけどもwww
仲良そうに見えないことも無いけれどもwwwwww
「へぇ~、すごく仲良そうに見えるんだけどね。
だって手を繋いでるし」
…………え?
なんと零奈ちゃん、エレベーター内でもしっかり俺の腕をつかんでいましたwwwwww振りほどこうとしても離してくれません。
「ヒーローはみんなに愛されないといけないのよ。
恋愛とは縁を切らなきゃ。
まぁ、人間としてはそれでいいんだけどね」
赤髪のレディーはそう言ってニコニコしている。
……この人、零奈ちゃんと同じニオイがする。
チーン
エレベーターが4階で止まった。
「じゃぁ、入学式、楽しんできてね」
赤髪のレディーはエレベーターを出て行った。
「…………」
零奈ちゃんは何も言わず、俺の顔をじっと見つめている。
頬を真っ赤に染めて。
俺と零奈ちゃんを乗せたエレベーターは、入学式会場である大ホールのある2階へと向かった。
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