ひとことで言ってみて!
私は大学へ足を一歩踏み入れた
オリエンテーションの日
右も左もわからずうろうろしていたら
声をかけてくれたCathy
不思議ー
寮も同じだったとは
「これからMichio Kushiのお食事会行こうよ」
それってなに?と思う事ばかり
黙ってついて行った
ホテルのレストランで出されたものは
玄米と菜食のおみおつけ、
ひじきと人参のお煮物、
焼き豆腐に黒いお味噌がかかっていた
食卓に上ったことのないものばかり
その頃私と言ったらお野菜なしの肉食ばかり
子供の頃からのぜんそくは
高校で影をひそめてはいたが、アレルギー体質で
花粉症にうんざりしていた
Cathyとお食事をみて
「う〜む、どうする?帰る?」
と言うCathyになんでも試してみたい私は
「いただきましょう」
おいしいと、食べていると
周りが急に静まり返った
お隣の学生の様な男性が目を輝かせて
「Michio Kushiだよ」
と言う
私にはそれが「奥の細道」と聞こえたのだ
この人は芭蕉を知っているのだ、
あとで話してみようと
その時芭蕉に凝っていた私は嬉しかった
老齢の男性がひとり正面に立ち、
私達に向かって話し始めた
背が高く背筋の伸びた細い、メガネをかけた人で
話し方の上品さ、なんと説明したらいいのだろう
話すこと話すことが胸にずんずんと響いてくる
と言うのだろうか
そのメガネの中から光る目が
私達の心を映し出している様な感覚にとらわれていた
奥の細道と思ってしまったMichio Kushiは
久司道夫氏というマクロビオティックの世界的権威
アメリカのシュバイツアーと称される人物だった
それからのCathyと私の運命は
マクロ一色に塗りかえられ
なんと幸せなことになったものか
