Mr.Children Saturday in the parkツアーが開幕しました。

ネタバレ思いっきりしていきますので、ご注意ください。











今作に限らず、Mr.Childrenの新譜は賛否がある。

僕はそれを誇らしく思うのだ。

なぜなら、様々な見方をすることができるから。

ミスチルを神化してしまうと批判ができない。

自分がマイノリティになってしまうと、これはこう!と無理くり分類することになる。

アーティスト側としても、固定概念は望んでいないはずだ。

半分はリピート確定、半分はスキップする。

この聞き方でも間違いない、恥じることはない。

それを互いに共有することもまた醍醐味と言える。


前作『miss you』について。

一周した時はあまりの色の無さに驚愕したが、ツアーを経て芯に触れることで奥底に在る誰しもの孤独や僅かばかりの幸福にほんのりと灯りを添える。

演奏もシンプルに施されることでそれらが際立つ。

『深海』のようなダークネスとはまた異なる、彼らの等身大の現実味がそこにはあった。

そして今作の『産声』はどうだ。

対照的に鮮やかなジャケット、ホーン隊が花を添え、入り組むリズム隊にリード曲の叫び。

『SUPERMARKET FANTASY』を彷彿とさせる多幸感。

冒頭2曲以降が正直そのギャップによって受け付けなかった。

しかし、音楽はライブを経て完成するものだ。

まんまと今回も2年ぶり同じ場所で思い知らされた。




センターステージ360度彼らを目撃できる構成。

穏やかな陽気の公園が映し出され、気づけばステージに立っていた桜井和寿。

『キングスネークの憂鬱』から始まり、時折り頷き、端から端まで温度を確かめるように走り抜ける。

一曲目から鳥肌を立たせるほどのシャウトを魅せ、3人が加わり『FIGHT CLUB』が始まる。

「今日は長いよ、いろんな曲を聞いてもらいたい!」と嬉々とする桜井に湧き上がる会場。

その宣言通り、新旧織り交ぜたセットリストとなった。


「休日に公園に来たような穏やかで自由な感じで楽しんで」

『fantasy』は桜井の弾き語りがメインとなることで散歩している様子を表しているようだった。

『Glastonbury』からの『ロードムービー』は夕暮れ時を、気持ちが良くあくびをしたくなるような陽だまりの中へ『Saturday』が連れ出してくれる。

フラストレーションを含んだ『空也上人』、考えを巡らせてしまう『進化論』、決してプラスだけではないその思考を巡らす時間。

そんなリアリティ溢れる時間をセットリストで表現。

思い悩んで光を見出していく『I'LL BE』、転んでも立ち上がる『Again』そして『蘇生』していく。

人の一生のような目まぐるしくも違和感のないシーン。

そのどれもが僕の記憶に刻まれている。

命を尊く想いつつ、生きることを祝福する『産声』はその大切なフレーズをオーディエンスと合唱する。

それはまるでライブを、曲を、空間を生み出したことをこの場の全員で喜ばしく思う時間にも思えた。


今回のツアーのステージングは驚きの連続だ。

山本拓夫の帯同で華やかだけでなく妖しさも演出される。

また、過去曲との組み合わせでまた新たな息吹を、

そして僕の『産声』に対する意識に大きく変化を起こす。

どうやら半世紀のエントランスを鑑みてもなお、彼らはまだまだ貪欲なことは明確だ。



end