佐々木亮介の歌声は僕らを立ち上がらせてくれる。
友人のようでヒーロー、そんな印象を彼に持っている。

レトロスペクティブツアーが落選し、悔しかった。
最低でも年一でフラッドを聴きたい、佐々木亮介の歌を聴きたかった。

上野恩賜公園のステージは初めてだった。
日比谷の野音と違って屋根があるためありがたかった。
今日も気温は驚くほど高く、眩暈がしそうなくらいだった。
入場後にドリンク売り場へ直行。
しかし暑さは和らぐことなかった。

定刻通りにぬるっとステージに現れる。
拍手で彼を迎えると佐々木は口を開く。
「毎日どこかに天使がいるらしい。虫だったり葉っぱだったり。今日はみんなが俺の天使だ。」
そうして静かに『天使の歌声が聴こえる』が始まった。
一曲目から歌詞がとても沁みる。
そして待ちに待った彼の歌声に涙が溢れた。

THE KEBABSや自身のソロ曲、アオキテツとのユニットSATETSU、カバー曲、そしてa flood of circleといったラインナップで披露。
その間に歌詞の紙が飛ばされたり、救急車や夕方チャイムの音が聞こえたりと野外ならではのアクシデント。
しかしそれすらも佐々木亮介の世界にしてしまう。
歌詞飛ばされたなら、観客にクラップをしてもらって場を繋ぐ。
救急車が通れば「俺、救急車とすれ違うと頑張れって思うんだよね」と語りながらサイレンと同じようなピッチで鍵盤を弾く。
夕方のチャイムが鳴り響けば、全員で耳を澄ませて聞き入る。
「何事も予定通りに行った試しがない」と自虐になるが、これらのアクシデントを我が物にするのは才能だと思った。

周りにファンがいないから、なかなか語れない。
だからこそ、この日に集まった約600人以上の光景は新鮮かつ安心感があった。
みんなが同じ曲を愛し、彼を愛している。
当たり前だけれど、彼もまた自分のファンの前で歌っている。
自分の曲を聴いてくれる人を信じている。

最新曲の『KILLER KILLER』では何度も歌う「君は飛べる」。
この曲を初めて聴いた時から、a flood of circleとしての代表する曲ではないかと感銘を受けた。
同時に、最後のセリフから佐々木亮介の人間性が出ている。
いつまでも消えない炎を持っている。
そして、僕らの手を離さないでいてくれる。
この日初めて曲を聞けて、改めて曲の複雑さとエネルギーを感じれた。
全22曲、知らない曲も多くあったが再び会う約束を交わした。


end