ライブまで1週間といった時にでも、ワクワクが以前よりも無くなった。
いつも生き甲斐にして日々頑張っていたのに。
僕が非情な人間になってしまったのか。
雨が降りそうな1日目、開場のタイミングで小雨がパラついてきた。
整理番号は良くはなかったのでのんびり後方で眺める。
それでもここには、黒づくめのファン、この日を待ち侘びたファン、BUCK-TICKに会いたいファンがいる。
ああ、こんな感じだったなと思い出したかのように記憶を辿っていると暗転。
アルバムリリースツアーのため、基本的にはアルバム中心だ。
去年のオンリーや武道館で演奏されなかった曲も含めて全て披露した。
個人的には『ガブリエルのラッパ』の重厚感のあるサウンドがお気に入りだ。
『神経質な階段』では、ダリの『アンダルシアの犬』を彷彿とさせるシュールな映像がインスト曲をより難解にする。
ステージパフォーマンスも、ボーカルとしてのポテンシャルをさらに上げてきたフロントの二人につづき、
ユータが縦横無尽に頻繁に前方へ来たり手拍子を仰いだりしていた。
「変わったなあ」「こんなの前のBUCK-TICKだったらあり得ない」と思った瞬間に僕は”第2期”という言葉をちゃんと理解した。
櫻井敦司がいた頃のBUCK-TICKとは異なっている。
それは曲調だけでなく、ステージ上の振る舞い方や見た目も。
ゴシック要素が強かった以前のスタイルは、もうできない、やるべきではない。
それならば4人の新たな道を確立しなくては。
現実を見れば、そうならざるを得ない。
僕はこの2日間、純粋に第2期のBUCK-TICKのライブを見たのだ。
そうして新たな4人の歩みを見て、これからもこうやって進んでいくんだなあと少しもやっとしていた。
アンコールは過去曲からチョイス。
1日目は『DADA DISCO』、『CREAM SODA』、『FUTURE SONG』。
2日目は『DADA DISCO』、『CREAM SODA』、『BOY』だった。
それぞれ作曲した本人が歌を披露したが、3曲目は2人による歌唱。
特に『FUTURE SONG』は力強くこの先を見据える曲でもあるため、希望を持てるラストを迎えられた。
35年も先頭に立って歌い続けたボーカルが不在となり、新たな旅立ちを迎えたBUCK-TICK。
その虚しさと悲しさを一番よくわかっているのは紛れもないメンバーだ。
僕は、この2日間ユータの「これからもBUCK-TICKは5人です」の言葉を繰り返し思い出していた。
きっとどこかで彼らは4人で進んでいくことを「薄情者」と言われるかもしれない。
仲間のことを忘れるわけがない。
誰でもない、心の拠り所を失った僕らのために音楽を続ける覚悟を決めた4人を責める権利が誰にあるというのだ。
BUCK-TICKだけど、BUCK-TICKではない、新しい形を僕はこれからも見ていたい。
そう心から思える2日間でした。
end