随分とこの日を待っていた。

1年は早いけど、この日が来るのは長かった。

バクチク現象から1年、不安の中でもがいていた。

それはきっと僕らも、メンバーも。

そんな状況で、BUCK-TICKは4人として17曲入りのアルバムをリリースした。

これまでと変わりない、当たり前のような流れだ。

 

 

セットリストは先日のFISH TANKer's ONLYのものと大差はない。

今回は一般のファンを交えた新体制お披露目といったところだろうか。

ライブハウスと違い、ステージがよく見える。

両サイドに広がる花道を通り、これまでと同様にファンの近くまで行くメンバー。

シンセサイザーやハンドマイクといった新たな武器を手に入れた。

武道館ならではの大きなスクリーンでインスト曲の世界観を表現。

ここはもしかしたら好みが分かれるかも知れない。

個人的には『ストレリチア』が幾何学模様の映像でとても引き込まれた。

 

やはりここでも星野英彦の進化が顕著に現れていた。

『冥王星で死ね』の今井寿との掛け合いから『paradeno mori』で前方に自ら率先して出ていく。

声の艶やかさ、伸びやかさはオンリーの時と違った印象を受ける。

『薔薇色の日々』は元々、櫻井敦司が歌っていたこともあり衝撃を受ける人も多かったかも知れない。

その曲を思い出を大事に響かせる。

『狂気のデッドヒート』は「イっちゃう?」と客席を煽ったり、股間に手を当てるなどのセクシーな表現まで見せつけた。

確実に、コーラスとしてではなくボーカリストの立ち位置で臨んでいる。

 

もちろん、過去の曲も自分達だけで演奏した。

去年のリベンジなのか『LOVE ME』を加えていた。

「歌詞がわからなかったら、ラララでもいいから歌ってください」

今井さんがそう告げた。

今度は音源なしの、完全に演奏は4人、歌うのはオーディエンスという状況。

リベンジなのか、はたまた誰かに捧げているのか。

でも不思議と、心の何かが晴れたような気分にもなった。

 

1年前、不安な顔をしていたユータもアニィも。

自分達が今やるべき音楽に、感謝を注ぐように笑顔を見ることができた。

泣きじゃくったあの日から、こんなに眩しい時間が来ようとは。

探り探りではない。

全く新しいBUCK-TICKという看板を背負った4人組のバンドだ。

 

毎年恒例の告知は情報が盛りだくさん。

ファンが待ち望んでいた映画の公開や、ホールツアー予告、スブロサツアーの追加公演。

こちらが心配になるほどの情報量。

無理なく進んでほしいと願う。

 

結局、帰ってくるのはBUCK-TICKなんだ。

何年もそうじゃないか。

変わることのない、幸せな時間。

この傷口が、瘡蓋になろうとしている。

そんな気がするんだ。

 

 

end