とことんツアーのチケットが取れなかった。

今回のライブビューイングも先行は落ち、一般で取った。

今年の上半期のドーム公演、吉井和哉のTHE YELLOW MONKEYの復活を目の当たりにできなかった。

バズリズムのイベントで彼らを見ることはできたが、アルバムの世界観を味わうということでツアーは是非とも是非とも体験したい。

 

Block.1が終了したということで、ネタバレありになります。

 

 

 

 

 

 

 

ロビンとエマがギターを合わせて鳴らすところから始まった『SHINE ON』。

劇場内はまだこの時点ではノリきれていない。

やはり遠くから見ているだけ、という印象。

しかし『罠』が始まったあたりから腕を上げたりクラップをする人がちらほら。

離れていても、武道館と繋がっていく感覚があった。

 

『ホテルニュートリノ』は半音くらい下がっていた。

カラオケで歌っていても高い印象があったし、今のロビンにはこのくらいの低さが歌いやすいのだろう。

歌詞の重さが相変わらず染み渡る。

新譜の曲が続く中で重音のメロディが響き渡り、ロビンが「麗奈ぁ!」と叫んだ。

僕がとても好きな『薔薇娼婦麗奈』が幕を上げた。

ヒーセのまとわりつくベース、ロックとして胸の奥底を突いてくるアニーのドラム。

ロビンの怪しげな瞳と歌い上げ方がたまらない。

1994年にリリースされた『jaguar hard pain』と新譜を織り交ぜたセットリストということで、他にも『A HENな飴玉』や『赤裸々GO!GO!GO!』など披露。

多くの月日が経っているというのに、全く勢いが変わらない。

そして『Sparkle X』と違和感がないのだ。

本人も言っていたが、これは彼らがやりたいことが貫かれた結果である。

その正しさが今でもなお証明されている。

 

ロビンが静かに口を開いた。

「30年前、LSBという、当時フェスとかなかった中で開催されたイベント。

LはLUNA SEA、SはSOFT BALLET、そしてBは明日ここでやるBUCK-TICK。

そこにゲストとして参加して、人気は上がっていった。

BUCK-TICKを初めて見たのがここ、武道館。

そんなBUCK-TICKの曲を1曲やりたいと思います。」

エマのギターから鳴らされたのは『スピード』だった。

僕は、一体何が起きたかわからなかった。

まずLSBというワードが出てきた瞬間、固まってしまった。

その次に、僕は吉井和哉がThe Birthdayとさまざまなイベントで歌っていることを知っていたが、チバの曲を歌うこと=チバがいないことを肯定するような気がして聞くことができないでいた。

大好きなバンドが大好きなバンドを演奏している。

これほど喜ばしいことはないのに、脳が拒否しようとしていた。

でも、ロビンが歌って3人が鳴らす曲は、やはりBUCK-TICKはかっこよくて唯一無二なんだと思い知らせた。

何より「自爆しよう」じゃなくて「愛し合おう」と歌ってくれたロビンは、BUCK-TICKに途轍もないリスペクトをしていることが分かった。

涙で何も見えないままで終わった。

泣きながら、僕は一生懸命に感謝の拍手を送った。

 

本編も終わりに近づいた時。

『ラプソディ』のポップで楽しげな空間、ファンへの感謝を交えた『Make Over』、そして全員と歌いながら手拍子で1つとなった『復活の日』と続いた。

僕が新譜を聞いた時に思い浮かべた景色がそこにあった。

全員でのシンガロン、たくさんの笑顔。

気持ちよさそうに歌い、演奏するイエモンのメンバー。

これほどまでに楽しく、幸せな空間はあるだろうかと思った。

 

ダブルアンコールでは徳澤青弦率いるストリングスを招いて『MERRY X'MAS』を演奏。

ステージ上に降る雪の中、ロビンは切なそうな表情を浮かべた。

何を考えているのかわからない。

ジャガーとしてその雪を見つめているのだろうか。

「ライブを重ねるごとに回復に向かっているように思える」

その希望に満ちた報告が、より会場や劇場を盛り上げた。

死生観を意識し始めたこの数年。

何を頼りにすればいいかわからないこともたくさんあった。

それでも、僕の好きなものは何なのか考えた時、やはり音楽だった。

音楽の幅が広がった、そのきっかけの1つでもあるのがイエモンの復活だった。

知れば知るほど魅力的で、表現力と色褪せないスタイルが本当に憧れだ。

アーティストは、歌い継がれること、存在を語り継ぐことが本望なのではないか。

そう考えた時、僕はまだまだ魅力を発信したいなと思った。

 

最後の最後に、ツアーのファイナルブロックが追加となった。

やる気に満ち溢れている彼らの姿を今度は生で見たい。

今、動かないと感じれないことが山ほどあって、時間も無限ではないのだ。

ライブは生物であるから、触れて初めて多くのことを得られる。

今日、彼らのパフォーマンスをスクリーン越しで見ていると、血が巡るのがわかった。

音楽を僕は愛している。

音楽もまた僕らを愛し、生かしているということも。

 

 

end