綾野剛、松田龍平出演の映画『影裏』を見ました。

ざっくりとしたあらすじ。
盛岡へ異動となった綾野剛演じる主人公の今野は、日々淡々と仕事をこなして過ごす毎日。
そんな時に出会った、松田龍平演じる日浅は破天荒ながらも周りから声をかけられるような存在。
同い年というのも分かり、急に2人は距離を縮める。

酒好きでもある2人は、よく飲みに行ったり、日浅の趣味の釣りを教えてもらったり、仕事でも職場のコミュニティを広げていくなど今野の生活は変わって行った。

ある時、2人は喧嘩別れをしてしまう。
そんな折に東日本大震災が発生した。
これを機に、日浅がどんな人物なのかが段々と明るみになっていく。


この映画、口コミを見るとあまり評価は高くない。
たしかによくわからないところも多かったが、日浅のことについて知っていく今野の感情は観てる側も同じ感情を持てて、すごく引き込まれた。

序盤とても暗かった今野が日浅の前で笑顔を見せるようになった。
これもまた明暗の描写。

ミステリーの部分だけでなく、盛岡の文化や自然の描写が多く、芸術を思わせた。
その自然から発せられる光と影、部屋の間接照明が導く明暗。
人の心情とマッチしていて美しかった。

あとは細かな部分で伏線が多いように思えました。
日浅のタバコ、イチジクなど。

『楽園』『怒り』もそうだが、純粋で憂いを纏う綾野剛の演技は、どうしても幸せになれない(過去を引きずる)印象があって胸が痛む。
でもそれがいい。
綾野剛にしかできない役なのかもしれないから。


end