本来であれば1/9は異空ツアーファイナルが名古屋であったはずだった。

中止ということは、中止。
グッズを売るわけでもなければメンバーが来るわけでもない。
ホテルのキャンセルはできなかった。

悲しみの置き場を探していた。
会報も追悼雑誌も読まなくては、とも思っていた。
じゃあどこで?
それを今日に位置付けた。

やるせないことはわかってたから、昼から飲んだ。
それはそれは気分が良かった。
でも、フォレストホールに着くと、そこには静かさしかなかった。
中止の看板すらない。
開場時間にまた来た。
ファンが数人いた。
会場は暗いままだった。

これが現実だ。

ライブは中止。
櫻井敦司が旅立ったから。

ただのフォレストホールをじっと見て、ホテルに戻った。
ただただ泣いた。
悲しさより寂しさだった。
虚しさもあったかもしれない。
何やってるんだ自分は、と。

その勢いで、会報を読んだ。
あっちゃん本を読んだ。
これに関しては正解だと思った。
あっちゃん本は、あっちゃんそのものだったから。
最初は悲しみが広がるだけだと思ってた。
でも実際は、あっちゃんの言葉や感情が文字となって綴られていて、それを読むだけで櫻井敦司という人物に迫ることができた。

僕らが愛したBUCK-TICKというバンドのボーカルは、どんな人なのか。
冒頭の文章からして彼の闇の深さと真面目さ、底知れぬ優しさが窺える。
面白い。
もっと知りたい。
悲しさよりも興味が勝った。

とはいえ、心の傷が癒やされたわけではない。
大きく空いた穴には風がビュンビュンと吹く。
ヒリヒリと痛む。
だがこれから先は、あっちゃんをもっと知ろうと思った。
そして、あっちゃんのように優しくなりたい。

長かったね、異空ツアー。
お疲れ様でした。

本当に楽しくて思い出深いツアーでした。

また会いましょう。
またね。


end