僕にとっては3年ぶりとなる福山雅治のライブ。
ツアーとしては4年ぶり?
本来であれば1月に開催予定だったこの日の公演。
延期となり、3ヶ月を経て再度この代々木に戻ってきた。
アルバム『AKIRA』の世界観を踏襲し、ようやく有観客で楽しんでもらうこともあり、2部構成という内容になっていた。
全身白い服で身を包んだ福山。
センターステージへ伸びる花道を堂々と歩き、アコースティックギターを掲げながらゆっくりと歌い出す。
『始まりがまた始まってゆく』の高らかな開催宣言を奏でながら会場が眩く光った。
彼の笑顔と、久しい生の演奏で手拍子も軽やかに彼を包む。
そこから往年のライブに欠かせない曲『HELLO』と続いた。
ライブでも行動が制限される中で、こうしてジャンプや手拍子、手の振りで楽しさを表現できる曲は貴重だ。
加えてグッズとして販売されたライトバングルも各種の色が満遍なく広がり、美しい光景を生み出す。
バラード中心の第1部は『milk tea』と『恋の中』が続けて演奏された。
特に『milk tea』は僕が学生の頃毎日のように聴いていたアルバム『5年モノ』を思い起こし、当時の記憶がそのまま蘇った。
不思議と、そういう場合は感情や曲の質感も変わらず呼び起こせる。
アレンジも加わって、原曲よりも華やかさが広がった1曲に感じられた。
そして『桜坂』だ。
この曲は彼の代名詞であり、今までに何度もメディアやライブで聴いてきた曲。
そのはずなのに、歳を重ねるごとにこの曲の魅力と世界観に引き込まれていく。
美しくも儚い桜を表すピンク色の華やかな照明がステージ上を照らす。
歌詞の意味と経験を積んできた自分を重ねて、涙が込み上げてきた。
色褪せない曲とは、こういうことを言うのだろう。
バラード曲として上位に上がった曲を演奏すると話し、披露されたまず1曲目は『あの夏も海も空も』だった。
いつもよりもバンドメンバーは少ないはずなのに、ストリングスがとても壮大に聞こえた。
ステージ後方に投影されたプロジェクションマッピングの効果もあるかもしれない。
爽やかな風が吹き荒れた後、2曲目は『Dear』だった。
僕があわよくば聞きたかった曲。
聞きながら浮かんできた、大切な人たちの顔。
なかなか人と会えない今だからこそ、繋がっていることを確信する曲だ。
ツアーを再開するにあたり、彼が提げてきた新曲『光』。
手拍子と掲げた腕をオーディエンスと一体となるパフォーマンス。
今後、この曲をライブを繰り返すごとに成長させていきたいという彼の言葉通り、この先を照らす新たなテーマ曲になりそうだ。
この曲を皮切りに第2部へと進む。
『AKIRA』や『暗闇の中で飛べ』のメッセージ性を強調し、変わらぬギターテクニックを見せつける『vs.2022 ~知覚と快楽の螺旋~』に会場が大盛り上がり。
彼の口癖「1つになろう」の言葉通り、本編最後までエネルギーを注いでいく『想 -new love new world-』ではステージ上の左右、センターステージまで隅々のオーディエンスに挨拶をしていた。
まさに会場が一体化したその後のラストを飾るのは『彼方で』だった。
終末のような、寂しげな始まりから気づけば明るい希望が目の前に浮かぶ。
最近僕が身に染みてわかる「必然」という文字が浮かんだ。
出会いがあれば別れもあるように。
それでも、こうやって音楽を味わうことを当たり前の日常としてこれからも進んでいきたい。
出会うこともやっぱり当たり前なんだから。
今回のツアーは僕が今まで感じたツアーより一番メッセージ性が色濃く出ていた。
僕らも待っていたし、何より彼が福山雅治本人がそれを待ち望んでいた。
だからタイトルに掲げた「未来への約束」がある。
こうして無事に今日を迎えることができたこと、感謝しかありません。
スタッフの皆さんもありがとうございました。
この状況下で音楽が聴ける幸せが、どうかいつまでも続きますように。
end