年末恒例のBUCK-TICKの武道館公演。

去年は代々木体育館で行われました。

あれから1年って考えるとあまりにも早い。

 

2020年はとても早かった。

とある悪夢に悩まされた1年だった。

そのおかげで数々の光が消え、愛おしいものでさえ距離を置くことになった。

未曾有の世界。

そんな中でライブを行うことは当初、絶望的とさえ感じた。

彼らの決断に対して、僕は現地を選択した。

 

マスクは着用の上、歓声もコールアンドレスポンスも禁止。

反応は拍手のみ。

アーティストからしたらどんな気持ちなのだろうか。

ただ、この制限は僕らオーディエンスにとってデメリットばかりではなかった。

歓声抜きの拍手での反応がとても新鮮で純粋なものに感じた。

 

セットリストに関しては、9月より開始したスクリーンライブの内容とほぼ同じだった。

3回も見てしまった僕自身とすると、初めて生で『ABRACADABRA』の楽曲を聴ける以外に感動は薄れてしまうのではないかと思った。

だが、曲に乗せてふつふつとマイナスの感情が湧き出す。

スクリーン越しでは味わえない生の感情だ。

演奏側、歌い手側の感情がストレートに伝わる。

表情が、眼光が僕らに訴えた。

「全ての医療関係の人たちに捧げます」

日常からかけ離せてくれるライブが現実を突きつけた。

『LOVE ME』が今までより一層光を増す。

生と死を表した最新アルバムにさらに魂をこめていく。

会場が明るくなり、オーディエンスは手を振る。

この1曲がセットリストの中でも一際目立った。

そこから他の曲のニュアンスが更なる希望へと繋がる。

 

重苦しい雰囲気が続く中「下ネタでも話そうか」と笑いを起こしてくれた櫻井敦司。

堂々とマイペースに変わらず異彩を放つ今井寿。

穏やかに淡々とステージを温めていく星野英彦。

いつも周りを見て支え、素早くフォローしてくれる樋口豊。

不動のリズムと安心感をメンバーだけでなくファンにも与えてくれるヤガミトール。

この5人がいないと始まらない。

状況が大きく変わった今でもそれが揺るがずに、心の底から音楽を愛することができることを思い出すことができた。

 

率直に、楽しかった。

そして幸せだった。

 

来年も再度約束が交わされた。

明日の自分だってどうなるかわからない。

愛に溢れたこの日を思い出し、歩みを進めようと思う。

 

ラストの『LOVE PARADE』と『New World』を胸に。

 

今年のライブ納めが今日でよかった。

 

 

end