Mr.Childrenのファンクラブに入ってるけれども、アリーナ席は10年間で初めてだった。

2008年に初めて見た彼らは米粒のようだったけど、ようやく親指くらいに見えた。

そして、アルバムツアー直後のツアーは何を指し示すのか。

彼らの思惑が気になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ステージ上はとても大きく、広かった。

開演すると雑踏と街並みを眺めるように大きなスクリーンが起き始める。

みんな圧倒されるその大きなスクリーンにどよめく。

メンバーが1人ずつ登場し、桜井さんの後ろ姿が映りだす。

ここからは僕には見えず、何が起こったのかわからなかった。

急に奥から桜井さんが飛び出してきて、センターステージに現れた。

神風というのか、これは。

楽しそうにはしゃぐ桜井さんはそのまま『Your song』を歌い始めた。

 

割と序盤に曲の重みをつけた気がする。

『Starting Over』と『himawari』は後半に高まらせる要素だと思っていたけど、よく考え込まれているセットリストということも気がついた。

「平成も終わって令和になった。平成のヒット曲を!もう一回!もう一回!」

そう笑いに変えながらも鳴らし始めたのは『HANABI』。

正直もういいかなぁなんて思っていたけど、ライブで聴くこの曲は割と一体感が出るから好きだ。

 

途中、桜井さん1人でセンターステージへ。

アコギ一本で『名もなき詩』を口ずさむ。

かき鳴らすギターに合わせて手拍子するものの、静止させる。

「この何万もの人の手拍子は、アコギが負けちゃうんだ笑」

徐々に他のメンバーが合わさっていく。

4人が向かい合いながら音楽を鳴らしていく姿に誰もが胸熱くなっただろう。

そして、演奏する曲たちの裏話も話してくれた。

『I Love U』はぐちゃぐちゃに湧き出る言い様のない感情をジャケットのトマトで表していること。

2000年問題でパニックになることが予想された時代に、元旦に起床して歌詞がどんどん溢れてきて作成された『ロードムービー』のこと。

ファンの一人一人と会話を楽しむように語りかけてくれる。

そのホーム感もまた会場規模を物ともしない彼らならではの雰囲気である。

 

『addiction』だったか、センターへと続く花道が上がった。

JEN、田原さん、ナカケーがそれぞれ高い位置に取り残されたように見えてだいぶ笑ってしまった。

その後方を端から端までオーディエンスと声を上げながら桜井さんは挨拶をしに走る。

そして『Dance Dance Dance』では桜井さんと田原さんが腰を振りながらリズムに乗っているではないか。

こんなエロティックな田原さんは初めてだ!

前ツアーでもダーク感が強くて話題になった『Monster』はさらに桜井さんの目がギラついてゾッとした。

もはや歌にならない声、地を這うような心持ち。

そこまでトーンを落としてから聞いた『SUNRISE』は後方スクリーンに日の出を映し出した。

その美しさ、曲の力強さに涙が流れた。

感動を押し堅めるような『Tommorow never knows』、希望に満ちた『Prelude』、そしてラストは『海にて、心は裸になりたがる』だった。

この曲でナカケーをラストサビ前に叫ばせるのはデフォルトなのだろうか。

僕はとっても嬉しい。

その勢いを受けて、張り裂けそうなほど大声で僕は応えた。

 

 

殻を破り捨て、より素になった彼らは『重力と呼吸』というやりたいことをシンプルにやり遂げたアルバムが出された。

リリースツアーを終えた今がまさに脂の乗った状態ではなかろうか。

アルバムの曲の立ち位置が見え、過去曲とマッチング。

計算し尽くされた素晴らしいセットリストだった。

 

「今回のツアータイトル。全ての重力に逆らう。空を飛ぶ人にとっては重力が重荷。地に足をつけたい人にとっては浮力がそう。全ての物に逆らうような思いを込めました。」

 

自問自答、僕にとっての逆らうべき存在はなんだろう。

怖いものはたくさんあるし、押し流されることも多い。

それらに争う術はきっとどこかにあるのだ。

その見つけ出すヒント、力をくれたのはアンコールラストの『皮膚呼吸』ではなかろうか。

信じ続けること、願い、祈り続けることの強さ。

呼吸をすることで感じる生きている鼓動がいかに当たり前となっているのか思い出された。

 

ああ、いつまで経っても4人は信じ続けているんだ、自分たちの音楽を。

それで僕らは繋がっている。

まだまだまだまだ彼らは先を行く。

止まることを恐れないミスチルの心臓の音を聞いたのだった。

 

 

end