毎年恒例になりつつあるノベンバのワンマン。

今年は真っ赤に染め上げられた日となった。

 

なんともおめでたい赤いポスターに囲まれた会場のあちこち。

ボンバイエと響き渡りそうなほどの熱気。

デビュー11周年を迎えた彼らの記念すべき一歩を踏み出すことになろうとは。

 

SEに溶け込むかのように照明が暗くなり、メンバーが登場。

いつだってポツリと明かりを灯すような音の始まり方をする。

この日の一曲目は『ア_-オ』だった。

吉木さんの胸に響くドラムが存在感をむき出しにする。

下手の二人は見えなかったけど、小林くんの声に柔らかな表情が聞こえる。

その後も煌めきに富んだ『エメラルド』や『Flower of life』、『美しい火』と続いていく。

轟音と散りばめられた宝石たちが降り注ぐ。

儚く、溶けて崩れてしまいそうな『Fiedel』が僕は印象的だったな。

エモーショナルブロックでは『鉄の夢』、『dysphoria』などで幕をあける。

時には赤いライトと激しく点滅する光に視覚と聴覚がやられそうで。

爆音とはまさにこのことだと、恐ろしくなった。

小さい頃に雷がなるたびに怖がっていた記憶が蘇って少したじろぐ。

死と生が入り混じる彼らの音に触れることはこんなにも容易いのに。

いつだってこのブロックは自分自身の姿を浮き彫りにさせてくれる。

何もかもが馬鹿らしい。

小林くんのシャウトは過去の自分を切り刻んでくれるような気さえする。

ケンゴさんが前に出て暴れる、時にはニヤリと笑い、辺りを見回し一心不乱にカッティングをする。

その姿に会場からは拳が突き上げられる。

熱がすぐに引くわけもなく、次か次かとオーディエンスは待ち構える。

小林くんが口開いた。

「今年の11月7日にデビュー11周年になりました。どうもありがとう。僕らの音楽が好きな人、好きだった人、これから好きになる人。現在と過去、そして未来のことを考えると愛おしくてたまらない。11年前の曲をやります。」

『バースデイ』だ。

青緑の光の中、爪弾かれたギターの音色、子守唄のようにゆったりと流れるベース音とリズム。

さっきまでの真っ赤な色は見えない。

ただそこにあるのは安心感。

最後を締めくくったのは『Hallelujah』だった。

やはり後方から強く照らされた照明に僕らは目を細めるしかない。

力強い小林くんの歌声、高松さんの伸びゆく美しいコーラス。

最強の武器を手にした気分になる。

体を大きく伸ばして背伸びをしたかったけど、きっと迷惑になるからやめた。

自然と溢れた涙で4人が見えなくなった。

僕はまた彼らに救われたのだ。

「またいい未来で会おう」

小林くんはそう笑っていつも話すんだ。

 

 

end