驚いた、もう5枚目なんだね。

毎度おなじみ、感想を書いていくよ。

 

メンバーのツイートやレビューは一切見ずに、完全に個人的な感想になるのでご容赦くださいませ。

 

 

『エイプリル』

イントロの走り方、後に聞こえてくる鍵盤の波紋。

これを聞いた瞬間に僕は懐かしさを覚えた。

見覚えのある風景、優しい風、温かいぬくもり。

振り返ったら、何年か前の”八月”の音色に似たものが在った。

ーエイプリル 僕は変わった? エイプリル 君は変わった?

どんどんいろんな場所でライブをして、

どんどん大きくなる彼らの背中は見えなくなりそうだった。

でも、何も変わっていないんだね。

ただその嬉しさがこみ上げた。

僕が彼らと出会った時、彼らの曲から離れるなんて想像もできなかった。

ずっと、当たり前にいるんだろうなぁ、と。

それくらい心にスッと降りてきた。

その感情が数年後また感じることができている。

ボーカルのかずきち兄ちゃんはいつだってありのままの言葉で

弱さだったり、目に映るものを歌ってくれる。

ー誰かの幸せを願うほど僕は優しくなくて

 

 

『%』

ーパッとしないこの世界を変えよう

目が冴えるような曲の始まりに僕らは顔を上げる。

この曲からハッキリと分かるものは、

彼らは”変わらないために、変わった”ということ。

寂しくなんてない、そんな想いをさせてくれないほどに増すスピード。

それとともに、今までで一番の思い切りのある言葉を並べている曲。

この曲が歌うことは、僕が一番に訴えたいことだった。

少し悔しかったなぁ(笑)

彼らにしか歌えない、全ての音楽に通ずること。

けれども1対1で僕らに呼びかける、直接伝わる。

モルカルには珍しく、腕を上げて盛り上がりたい1曲。

高速のクラップは少しばかり難易度が高めだけど、とにかく楽しい。

僕らと彼らによる”紙とペンでは描けないような素晴らしい世界”がまた少しばかり広がった。

 

 

『プラスチックワード』

夜に、夜道を歩きながら聴くのがお気に入りの曲。

寂しく思えていて、でも凍えそうなくらい寒いわけではなくて。

春の夜、それか今の時期の夜にぴったりだと思うんだ。

サビのコーラスが強いのが影響してる。

きっとボーカルのみだったら心細くなってしまう。

また、ゆーとさんのギターは魔法のようなんだ。

ー溺れて、包まって、融けてしまいたいよ

逃げたいわけじゃない、ぼんやりと夜道を歩きながら思った後悔だったり辛いこと。

空間系の音で、優しく、歌詞通りに溶けていくラストがたまらない。

ふわっと、夢であったかのように過ぎ去っていく。

些細な言葉が招く衝撃は、鈍くやってくることが多い。

そんな後悔が和らいでいけばと願う。

その1つ1つがシャボン玉のように弾けていく気がする。

 

 

『ゆらぎ』

前曲と繋がってるように思える。

タイトル通り、揺らぐ心を表している。

その心っていうのは僕らでもあるし、彼らのこと。

1日にどれくらいの感情の起伏があるのかなんて考えもしない。

せいぜい”笑った”くらいしか数えていない。

川の水のように、バックで流れていくアルペジオが記憶や感情を溢れさせる。

後の方でまた書くけれど、やはり前作『まるで幻の月を見ていたような』(以下『まる月』)で得た音が生きている。

夢と現実の狭間にいるような感覚、映像が浮かび上がる。

そこでは一人でいるのに、聞いているのに、月だけは煌煌と光っているんだ。

不思議なものだね。

 

 

『アンチドート』

”antidote:解毒剤、矯正手段、対策”

花が蕾から開いていくようなイントロのアコギ。

サビにたどり着けば、ジャケットと同じように暖色系の風景が一面に広がる。

ファルセットが心地の良い風を呼ぶ。

ちらりと”越冬をする蝶”のことを思い出す。

あの”蝶”を聞いた時も、こんな温かい気持ちになったな。

淡い淡い水彩画のようなタッチで浮かび上がる記憶。

戻れはしないけれど、辛い思いを残したまま僕らは記憶を呼び起こす。

ー君の中にある確かな温もりだけが答えを知ってる

歌詞は割と暗いけれど、自分自身に問いかけて、自分自身を見つめる曲だと思う。

よくわかっていて、よくわかっていない。

でも、自分にしかわからない。

 

 

『pinhole』

出ました、『まる月』のリバース。

ゆーとさんのギターはただでさえ色を確かに確実に添えていくのに、リバースかけたらそのまま時計が逆回転する。

巻き込まれて、飲み込まれていく感覚がどうも愛おしい。

 

 

『開花』

この曲は何と言っても、ばんさんのドラムだ。

初めてライブで聴いた時、タムもバスドラもスネアもシンバルも、すべてが在るべき位置にいることが一種の快感だった。

ありがたいことに音源の方でもドラムが大きく聞こえております。

かごちゃんのベースも背筋がシャンとする。

リズム隊が華を大きく添えてる。

そして、大きな注目としては歌詞。

ー僕が僕を報うために

と、

ー僕は僕をもう手放すよ

モルカル自身の決意にも似た言葉。

こうして僕らの手元にこのアルバムがあるということは、変わった・変われた代償がきっとあると思うんだ。

悩みだって計り知れないさ。

それなのに、なんだって眩しいんだろうね。

確かに彼らにとっての新たな花が咲き誇った。

変わることが怖いこともあるだろうし、きっと変わったことで離れる人もいるだろう。

僕だって、離れてしまった音楽がたくさんある。

でも、いちいちそんなこと気にしてる時間があるなら、堂々と手を引いて走ってくれた方がリスナーも嬉しいと思うんだ。

評価される・評価されないのどちらかの世界で、ウケを狙うより自分らの信じた音楽だけを鳴らし続ける方が人はついてくるはず。

”魔法の声”がする方へ、耳も目も体も傾く。

その声の光にmol-74を信じる人は”未来を託して”いるんだぜ。

 

 

 

今作は1周聞き終えたら、なんだか懐かしくなって『18%の描いた季節』から順に聞き直してしまったよ。

並んで聞いても、どれもモルカルで。(当たり前だけど)

偉そうなことを言うと、歌いたいことはちゃんと歌えているし、コンセプトにしたいことはきちんと伝わってると思うんだ。

今作は、過去から今現在のような旅路を思わせてくれた。

 

変わらないで変わってくれてどうもありがとう。

 

これからもよろしく。

 

 

end