僕が彼らと出会ったのは2年前。
出会いはパソコンの中だった。

いまどきらしく、ライブのUstreamを見ていたら出会ったんだ。

多分、ただ単純にその時は新しい音楽を黙々と探してた。
何でも良かったかもしれない、自分が見つけた音楽なら。
The Flickersという名前のバンドを見つけて、パフォーマンスが熱かったため興味を持った。
CDを繰り返し聞いていたら冷静さが見え隠れするものだから、ギャップに驚き。

テクノとかダンスミュージックをよく分かっていなかった僕でも、彼らのビートは体を染み渡っていく。
体が分かったんだ、音楽に解けていくことを。
それがまた快感となって、彼らに気づけば夢中になっていた。

初めてのライブから2年が経って、前回のライブは去年末のカウントダウン。
間が空いてしまったが、それなりにどんな成長が伺えるのかが楽しみでたまらなかった。

開演までフロアには街で録ったという雑踏の音が流れ続けていた。
「ライブ」という非日常に現れる踏み切りの音だったり、車のクラクション。
心が高鳴っていると静かに幕は上がった。

1曲目『midnight express』が鳴らされた時に思ったこと。
優しくなったなぁとね。
割と勝手に、彼らは孤独と隣合わせというか・・・現実にはあまり期待しないような絶望に堕ちていくみたいなイメージ持ってました。
だからいつも世界観は夜を舞台に思ってましたしね。
タイトル、歌詞どおりにフロアを包んで誘って行く感覚はとても自然でした。

相変わらず全身全霊の『non-fiction』でボルテージを上げるかと思いきや、「秋ですね、でも冬が来ますね」という言葉に続いて『winter long』など季節に合わせた曲を披露。

やっぱりエモーショナルとかの言葉が似合ってました。
だから「愛」とか「love」とか歌っていても、冷たく感情を持たないように聞こえていたりしました。
ロボットみたいな。
そう僕はThe Flickersというバンドを位置づけておりまして、別にそれは貶すってわけでもなく。
そのロボットみたいな機械的な人らが「愛」を求めていくのってロマンティックじゃないですか?
そんな感じで勝手に物語っていたり。

1stアルバム『A PIECE OF THE WORLD』を聞いてから徐々に変わっていくことも分かってました。
『love destruction』だってその「愛」とやらに不器用ながらも手を伸ばしてく、それをグングン加速させていく。
それとは逆に、メジャーデビューとなった今作『AT FIRST LIGHT』は加速そのままに表情豊かになりました。
サウンドやテクニックにおけるアレンジはもちろんだとは思うんですけど、視点だったり光の注ぎ方が新しく、それがそのまま僕のイメージの「優しさ」に繋がっていくんだと思います。

一番に驚かされたのは『永遠』でした。
唯一この曲は深さと眩しさが混同しつつも互いを伸ばしていく、無限に広がりを魅せる曲なので僕は大好きなのです。
アレンジを加えてより深い場所へ、それでいて救いの光がまっすぐに。

この日披露された新曲『techno kids』や『love in the music』はそれぞれ違う顔を持つ曲でした。
タイトル通りテクノミュージック満載な曲『techno kids』は彼らの持ち味が存分に詰まっております。
フロアが大盛り上がりでした。
そして『love in the music』は不器用さはそのままに、苦しく、もがきながらも確かな言葉を届けてくれました。

「この3人は不器用なんだ」
そうメンバーを見ながら話す安島さんの目はとても優しかったです。
何度も何度もたくさんの人に向けて感謝をしていました。
メジャーデビューした今でも挑戦する火は決して消えない。
『noiz me』ではフロアのオーディエンスの声をサンプリングして曲に使ったり。
面白いことたくさん考えているはずです。
来年の1月に発売されるアルバムにもそういうことたくさん詰まってるはずです。

ざっくり言ってしまえば、人間に徐々になってます!笑
良い意味で冷たく歌っていた愛を、今では多くの表情から伝えているのです。
鳴らしてる3人を見ながらそれは十分に伝わってきます。

相変わらず、冷静さと熱にまみれながら。
それでも彼らの音楽を聴きながら歩く夜は特別。
深くも心を洗える夜道の散歩には是非。

ラストに鳴らされた『a.i.』は僕が初めて彼らを見に行ったときにも確かラストに鳴らされました。
その日と重なって愛おしく思いました。
永遠でいてほしいです、彼らには。
完全体な人間でいて欲しくないです。
それこそが人間なわけです。

彼らには期待しかないです。
必ず、またどこかで。

それまでに精いっぱい僕も生きます。


end