公園からお父さんらしき声が聞こえた。

息子に言い聞かせてるのだろうか?


諦めを教えるため?

それとも早く帰りたいの?



興味のないものだったらショックも少ない。

落としたものは拾うものだけれど、あまり負荷が無いものだったら諦めてしまう。

逆に大切なものが無くなったら。

僕はきっと夜になるまで探したくて、ずっと諦めきれないだろう。

誰にだってそういうものあるでしょ?



春が近いからね、暖かくなってきたから眠くなる半面で考え事も多くなる。

一緒に沁みこんでくるのはもちろん音楽であり、それを楽しみつつ甘いココアでも飲む。

「甘い」って言っちゃって笑ってしまうほどの甘さで少々怠くなる。


きっとこの甘さも忘れてしまうのではないだろうか。

そして二度と拾うことのない記憶になってしまうのだろう。


僕は今日も電車内で子供を愛おしく見つめる老人を愛おしく見てるよ。


ユーリイ・アレクセーエヴィチ・ガガーリン。

君は人間で初めて宇宙から地球を見れたんだ。

さぞかし感動したんだろうね。

宇宙は広大で謎だらけだからこそロマンがある。

名前を刻んだ。

誰も忘れられない人になった。



拾ってみたら汚れてしまって、壊れてしまって、使い物にならなかったらどうする?

僕はそっとしまっておこうかな。


その大切なものには思い出がきっといっぱい詰まってるだろうから。

今は亡き人の記憶が詰まってたらなおさら。

覚えてるのは自分しかいないから。


案外、そこらへんに落ちているものでも物語があると思う。

「なんだっけ、これ」って思っても探ってみるべし。

何かがあるわけだよ。


そういう話。



end