ミント・カクテル その19(全25回) | 風 凛 日 記 annexxx

風 凛 日 記 annexxx

僕が過去に経験した不倫についての思い出をつづった日記です。
映画や海外ドラマの話なども。
そして・・・子育て。

ラブホテルのルームサービスで適当に頼んだ料理が部屋に届くころ、りょうこはようやくベッドから起き上がって乱れたシーツを整え、テーブルの用意をしはじめた。

ちょうどそのとき、ラブホテルのフロントから部屋の延長をするかどうか確認の電話がかかってきた。
この先の延長は宿泊を意味した。

「りょうこ、今日はこのまま泊まる? 平日だから明日は普通に会社だけど。」

「うん、大丈夫・・・かな・・・。」

りょうこは少し照れたような顔で頷いた。

僕はテレビをつけて、のんびりしていると、りょうこがビールを注いでくれたので乾杯した。

特にこれといった会話もなく、二人で肩を並べてぼんやりとテレビを見続けた。

(ショウさんにとって、わたしは必要な存在?)

さっき射精前にりょうこに聞かれた言葉を思い出した。

あの当時の僕にとって不倫は僕に必要な存在だった。

りょうことの関係も愛も必要な存在だったことには間違いなかった。

でもどこか嘘くさい。

不倫という純愛を誓っていながらその継続にいつも不安を抱いていた。
成就される愛ではないとわかっていながら、身体と心は誰よりも深く繋がっているという不思議な愛だった。

僕は不倫慣れしていたので、そういう愛もありだと受け止めていた。
だが普通の人、特に女性はそういう愛は本当の愛だと思わない。

りょうこは僕とのセックスを今までの不倫相手と同様のレベルで考えていたに違いない。

が、僕が彼女が過去に関わった全ての男を凌駕してしまい、この愛が本当なのか、この先どうしていいのか訳が分からなくなっているのだ。

彼女の部下のえいこの話から推測すると、過去に重たい不倫をいくつか経験しているりょうこは不倫とはそういう重たい頭で恋愛をするものだと考えていたのだろう。
それを彼女なりに楽しもう?としていたのだろう。

だが僕とのセックスは違ったのだ。

他の不倫とは違った恋愛感情が芽生える中で、自分の存在価値や僕との今後のことをあれこれ模索しはじめたのだろう。

あとからわかることだが、それはりょうこにとって、あまりにも過酷な模索だったのだ。

彼女の不倫の定義と僕の不倫の定義にはあまりにもギャップがありすぎた。

この日、りょうこと逢うのはまだ4度目だったが、この日に至るまで内容の濃すぎるセックスを繰り返し、あまつさえ彼女に中イキ才一力"ス"ムと愛あるしゃせいを果てしなく与え続ける僕の存在は彼女の思考にとって異質すぎたのだ。

これは本当の愛ではないと思いながら、本当の純愛に気付いていく。
不倫本来の矛盾を徐々に受け入れていく。

りょうこは異質すぎる関係を拒むこともできず、ひたすら快楽に翻弄される自分が奈落に落ちていく感覚に苛まれたのだろう。


食事が終わったあとも、深夜24時ごろまでセックスが続き、彼女は歓喜のまじった悲鳴のような声で何度も何度も果てた。

2度目の中出しが終わると、りょうこの身体は全く動かなくなり、まるで美しい液体がベッドに広がっていくように大きく身体を開いたまま身体を沈め、動かなくなった。

彼女の赤く火照った顔と身体を僕は眺めながらしばらく射●後のりょうこの中をゆるい大きさのペ二●でぬらぬらと堪能していると、りょうこがぼんやりとした頭でつぶやいた。

「かきまわ・・・されてる。」

「うん。」

「ショウさんが・・・かきまわしている・・・。わたしのこと。」

「疲れた?」

「ううん、・・・かきまわされてるわ、わたし・・・。」

「・・・・・。」

ずるりとりょうこの身体から離れて彼女の花園から流れ出る精液を僕はティッシュでおさえた。
りょうこはまだ動けない様子でぐったりとしていた。

ふと、彼女の携帯を見ると着信があったと思われるランプがちかちかと点滅していた。

えいこが言っていた言葉を思い出してしまった。

(ここのところずっとなんです。りょうこ先輩は男の人に夢中なとき、連絡つかなくなるときがありはるので。)

(過去のデータからして、たぶんりょうこ先輩は今めっちゃなんかにハマってはるんですわ。思い詰めてるというか。)

りょうこは恥ずかしい姿勢にようやく気付いたのか自分の股間にあてがわれたティッシュをあわててとると身体を横にしてシーツを身体に巻き付けた。

僕は何にも見なかったフリをして

「気が付いた?」

と言って、りょうこの隣にごろりと寝ころんだ。

「・・・ショウさんて・・・かわいいわ。」

「そう?まあ、よくいわれるけど。」

「わざとやってんの?」

「自然体だと思うんだけど。」

「ねらってるとしか思えない・・・」

「あはは、そんなことないんだけど。・・・ねえ、着信あるんじゃない。携帯。」

「あ、いけない・・・。」

りょうこは携帯を慌ててチェックした。
留守電も入っていたようで、リダイアルする様子はなかったが、しばらく電話と格闘していた。

「もう深夜の1時になるのね。」

「あきらめて寝たほうがいいのでは。」

「そうするわ・・・。ねえ、ショウさん。」

「なに?」

「ショウさんて不倫慣れしてるよね。」

「まあ、そうかもね。」

「わたし、ショウさんに逢って変わってしまったわ・・・。何もかも。」

「身体はすごくかわったね。」(笑)

「いやだ、もう・・・・・。どうしたらいいのかしら。わたし。」

「どうしたらりょうこにとっていいのかな。」

「わからない、わからないの・・・・。」


その会話上には二人ともこの関係を続ける気がないことがはっきりと明記されているように思えた。

が離れられない関係値にすでになっていることも明確だった。





つづく