平塚市、ごみ焼却不能に…排出ガスから基準超のダイオキシン(読売新聞) - Yahoo!ニュース
平塚市が大変なことになっています。
焼却炉3基のうち、1基の排出ガスから環境基準の1,3倍のダイオキシンが検出され、操業を停止。1基は停止して修理中。もう1基は基準を超えるダイオキシンが検出される恐れがあるとして停止。
焼却炉をすべて停止したので、ゴミを焼却できない。ゴミがあふれています。
まず、焼却炉のことをご存じない方のために、ニュース記事の中で疑問に思われるポイントを説明します。
排ガスのサンプル採取が2月6日で結果が出たのが3月10日。約1ヶ月かかっています。
なぜこんなに時間がかかるかと言うと、排出濃度がとっても低いので、分析する前にサンプルを濃縮するのですが、この前処理に時間がかかるからです。どんなに急いでも1ヶ月位はかかります。
規制値は、排ガス1m3あたり0.1ナノグラム以下です。これが、どれくらい少ない数値かと言うと、全国のごみ焼却炉から発生するダイオキシン類の発生量をすべて合計しても、1年間で数キログラムです。
通常運転していた焼却炉もダイオキシン類が基準値を超える恐れがあるとして停止したのは、記事の内容から推測すると、操業基準を維持するのが難しいからではないかと思います。
800℃以上の温度で焼却し、排ガス中の一酸化炭素濃度を100ppm以下になるように燃焼空気を調節してダイオキシン類を分解し、ガスが冷却される過程でダイオキシン類が再合成されないように、排ガスを200℃以下に急冷すれば、ダイオキシン類は規制値以下にできます。この条件の維持ができないのでしょう。
「可燃ごみを出す際に、水分を切ってから出してください」と書かれていますが、これには意味があります。先ほど述べたように、800℃以上で焼却すれば問題ありません。水分が多ければ800℃以上で焼却するのが困難になります。
ごみの分別回収が進んで廃プラスチックが減少し、ごみの発熱量が下がっているので、温度を上げるために相当量の重油を使っていることでしょう。重油の費用も大変だし、化石燃料からの二酸化炭素排出量も増加します。
とにかく、ごみの水分はよく切って出すようにして、発生量を抑制しましょう。