『魔法少女まどか☆マギカ』についてはたくさんの人がたくさんのことを語っている。それだけ影響力のある作品であることにはもはや疑問の余地はない。設定(キュウベイのセリフにはしびれたー)、ストーリー・演出(10話以降は神!)、美術(特に魔女の結界は出色)、音楽(最終話のソロピアノ部とかフルオーケストラ部とか)、声優さんたちの演技(特にまどか役の悠木碧さん)などどこをとってもものすごい完成度の作品であることは間違いない。
観終わったとき、これは女の子版『エヴァ』だなと感じた。どちらも、最初は煮えきらない主人公が世界と関わっていくことの葛藤、成長を通して最終的には主人公の想いが世界のあり方を変更する力(チャンス)を持つっていう話だよね。しかし、主人公の性別の違いにより物語の帰着にかなりの違いがある。『エヴァ』のテーマは、自己と他者との関係性、そこに生まれる孤独と共感である。『まどか』のテーマもこれにかなり近いんだけど、シンジが最終的には自己の存在を守った(補完計画による自己と他者の境界が存在しない世界を選択せず)のに対し、まどかは魔法少女たちの絶望を打ち消すためにあっさりと自己の存在を投げ出してしまう(自分というかたちを維持できなくなる)。これはもうはっきり「母性」と言ってもよい選択である。女の子のヒーローの究極のかたちだと言ってもよいと思う。しかも、まどかは魔法少女たちを死から救ってるわけではない。絶望して死んで魔女に変身しないですむようにしているだけである。そういう風に世界の在り方を書き換えたのだ。つまり魔法少女たちは力を使い果たすと死んで消えてしまう。ただし絶望して他人を恨んだり呪ったりせずに。つまり『まどか』の最後のテーマは、「人間は、自分の死ぬべき運命は変えられないけれど、そこには救いがある」である。凄い!ここまで語り切った作品は久しぶり。
あっ、後オープニング曲も最高でした!