books in the attic vol.7 『あしたのジョー』高森朝雄 ちばてつや
books in the attic vol.7 『あしたのジョー』高森朝雄 ちばてつや
あしたのジョー。
高森朝雄(梶原一騎)原作、ちばてつや作画。
少年マガジンに1968年1月1日号~1973年5月13日号にかけて連載された、
伝説的なボクシングをテーマにしたマンガ。
その社会的影響力はすさまじく、連載途中で死んだ、主人公ジョーのライバル力石徹の為に、
ファンにより葬式が開かれたそうです。
1965年生まれの僕にとっては、リアルタイムのマンガでは無いのですが、
年上のいとこから単行本をもらい、小学生のころから読み始め、
多分、50回以上は読み直している、愛着のある作品です。
少年マンガにたずさわる、多くの作家、編集者に、
今でも大なり小なり影響を与え続ける、
まさに少年マンガのプロトタイプと言ってもいい、
歴史的な名作であることは間違いありません。
みなしごで、けんかっぱやい不良少年だったジョー、
それが、ボクシングに出会い、それに魅了され、
やがて、世界タイトルを争うまでになる、というシンプルなストーリー。
ただ、そこに織り込まれる様々なリアリティーのあるエピソードが、
マンガというジャンルを超え、ひとつの壮大な物語として、
今もファンを惹き付けています。
僕の好きなエピソードは、
ジョーに好意を抱いている紀ちゃんという女の子とジョーが、
公園や、川辺で会話をするシーン。
紀ちゃんはジョーに
『同世代の若者が青春を謳歌してるのに、
矢吹君はいつも薄暗いリングで練習ばかり、それでいいの?』と問いかけます。
するとジョーは、その質問の意味がわからないように、
『ボクシングみたいに、自分の熱くしてくれるものに初めて出あったんだ。
その辺の不完全燃焼のやつらにはこの感じはわからないよ。』
そんな風に答えます。
その言葉を聞いて、紀ちゃんはジョーにはついていけないと思い、
しばらくして、ジョーのジムの先輩の西と結婚します。
秀逸なのは、その結婚式のシーンで、ジョーのスピーチを受ける紀ちゃんの表情です。
少年マンガでありながら、そんなみんなが人生の中で感じる、
迷いや、挫折や、あきらめや、憧れが見事なまでに織り込まれています。
最近のニュースで、実写映画化が決定し、
矢吹丈を山ピーこと山下智久、トレーナー丹下段平を香川照之
が演じる事が発表されました。
紀ちゃんは相武紗季がいいなと個人的に思ってます。
”あしたのため”の酒、そう思って店のお酒を見直すと、
グラッパが目に留まりました。
ぶどうの皮の蒸留酒で、一日の最後に飲むと、
いい”あしたの夢”が見れそうなお酒です。
ぜひ、一度お試しください。

あしたのジョー。
高森朝雄(梶原一騎)原作、ちばてつや作画。
少年マガジンに1968年1月1日号~1973年5月13日号にかけて連載された、
伝説的なボクシングをテーマにしたマンガ。
その社会的影響力はすさまじく、連載途中で死んだ、主人公ジョーのライバル力石徹の為に、
ファンにより葬式が開かれたそうです。
1965年生まれの僕にとっては、リアルタイムのマンガでは無いのですが、
年上のいとこから単行本をもらい、小学生のころから読み始め、
多分、50回以上は読み直している、愛着のある作品です。
少年マンガにたずさわる、多くの作家、編集者に、
今でも大なり小なり影響を与え続ける、
まさに少年マンガのプロトタイプと言ってもいい、
歴史的な名作であることは間違いありません。
みなしごで、けんかっぱやい不良少年だったジョー、
それが、ボクシングに出会い、それに魅了され、
やがて、世界タイトルを争うまでになる、というシンプルなストーリー。
ただ、そこに織り込まれる様々なリアリティーのあるエピソードが、
マンガというジャンルを超え、ひとつの壮大な物語として、
今もファンを惹き付けています。
僕の好きなエピソードは、
ジョーに好意を抱いている紀ちゃんという女の子とジョーが、
公園や、川辺で会話をするシーン。
紀ちゃんはジョーに
『同世代の若者が青春を謳歌してるのに、
矢吹君はいつも薄暗いリングで練習ばかり、それでいいの?』と問いかけます。
するとジョーは、その質問の意味がわからないように、
『ボクシングみたいに、自分の熱くしてくれるものに初めて出あったんだ。
その辺の不完全燃焼のやつらにはこの感じはわからないよ。』
そんな風に答えます。
その言葉を聞いて、紀ちゃんはジョーにはついていけないと思い、
しばらくして、ジョーのジムの先輩の西と結婚します。
秀逸なのは、その結婚式のシーンで、ジョーのスピーチを受ける紀ちゃんの表情です。
少年マンガでありながら、そんなみんなが人生の中で感じる、
迷いや、挫折や、あきらめや、憧れが見事なまでに織り込まれています。
最近のニュースで、実写映画化が決定し、
矢吹丈を山ピーこと山下智久、トレーナー丹下段平を香川照之
が演じる事が発表されました。
紀ちゃんは相武紗季がいいなと個人的に思ってます。
”あしたのため”の酒、そう思って店のお酒を見直すと、
グラッパが目に留まりました。
ぶどうの皮の蒸留酒で、一日の最後に飲むと、
いい”あしたの夢”が見れそうなお酒です。
ぜひ、一度お試しください。

movies in the attic vol.4 『No Direction Home』
movies in the attic vol.4 『No Direction Home』Bob Dylan
ボブ・ディラン、1941年ミネソタ州出身。
当初、1950年代末からニューヨーク、グリニッジで盛り上がった、
フォークムーブメントのアーティストの一人として頭角を表し、
社会への異議申し立てのようでいて、内面にも深く響いてくる楽曲で、
時代のカリスマとしての地位を確立、
そして現在も活動を続ける偉大なアーティスト。
吉田拓郎、井上陽水、泉谷しげるなどの日本のフォークミュージシャンにも、
歌唱法、スタイルなど、多大な影響を与える一方、
ある時は直接、またある時はブルーススプリングスティーンら、
ディランのフォロワーのフィルターを通し、
浜田省吾、佐野元春など日本のロックにもその影響力は及んでいます。
最初に僕がディランに抱いた印象は、
ハーモニカとギターで、だみ声で抑揚の無いメロディーを歌う、
”音楽”というより”言葉”のアーティストという感じでした。
(we are the world の時の彼の存在感あるボーカルスタイルを
憶えている人は多いのではないでしょうか?)
どちらかというと、音楽に対しメロディー重視派だったので、
あまり積極的に遡ってアルバムを買って聞くようなことはしませんでした。
ただ、佐野元春らがラジオ番組で流していた、
ヘイ・Mr.タンブリンマンや、ライク・ア・ローリングストーンなどは、
比較的聞きやすい曲として、カーステでよく聞いてました。
そんな、その名声の割に、自分にとってピンとこなかったボブ・ディランですが、
この『ノー・ディレクション・ホーム』というドキュメンタリー・フィルムを観て、
ボブ・ディランが世代を超えて影響力を及ぼし続ける理由の一端が、
初めて、ほんの少しですが、わかった気がしました。
今では信じられない光景ですが、彼がエレキを持って歌うだけで、
フォークを裏切った行為として、ブーイングがおこるコンサート会場。
表層的な質問を並べて、彼が時代の代弁者であることを規定したがる、
記者達との会見のシニカルなやりとり。
そこには、外界への融合より、自分の表現に素直であろうとする
表現者としての”我”を強く感じました。
一見矛盾する、ディランの反社会的が故のポピュラリティ、
それは、大量消費社会に飲み込まれようとしていた60年代の世界、
その見えない、覆われてしまいそうな力を心良く思わない不特定多数の人々に、
彼の非友好性が、逆に時代に流されない”確かな何か”として、
共感を持って受け入れられた、ということかも知れません。
強い個性とポピュラリティを持つ酒、そう思って店を見渡したとき、
アイラモルトの『アードベッグ』が目に飛び込んできました。
独特のヨード臭とスモーキーを持つアイラモルトの中では、
比較的飲みやすい(僕には)、そう感じられるお酒です。
『アイラはちょっと』そんな方にお試しいただきたい一杯です。

ボブ・ディラン、1941年ミネソタ州出身。
当初、1950年代末からニューヨーク、グリニッジで盛り上がった、
フォークムーブメントのアーティストの一人として頭角を表し、
社会への異議申し立てのようでいて、内面にも深く響いてくる楽曲で、
時代のカリスマとしての地位を確立、
そして現在も活動を続ける偉大なアーティスト。
吉田拓郎、井上陽水、泉谷しげるなどの日本のフォークミュージシャンにも、
歌唱法、スタイルなど、多大な影響を与える一方、
ある時は直接、またある時はブルーススプリングスティーンら、
ディランのフォロワーのフィルターを通し、
浜田省吾、佐野元春など日本のロックにもその影響力は及んでいます。
最初に僕がディランに抱いた印象は、
ハーモニカとギターで、だみ声で抑揚の無いメロディーを歌う、
”音楽”というより”言葉”のアーティストという感じでした。
(we are the world の時の彼の存在感あるボーカルスタイルを
憶えている人は多いのではないでしょうか?)
どちらかというと、音楽に対しメロディー重視派だったので、
あまり積極的に遡ってアルバムを買って聞くようなことはしませんでした。
ただ、佐野元春らがラジオ番組で流していた、
ヘイ・Mr.タンブリンマンや、ライク・ア・ローリングストーンなどは、
比較的聞きやすい曲として、カーステでよく聞いてました。
そんな、その名声の割に、自分にとってピンとこなかったボブ・ディランですが、
この『ノー・ディレクション・ホーム』というドキュメンタリー・フィルムを観て、
ボブ・ディランが世代を超えて影響力を及ぼし続ける理由の一端が、
初めて、ほんの少しですが、わかった気がしました。
今では信じられない光景ですが、彼がエレキを持って歌うだけで、
フォークを裏切った行為として、ブーイングがおこるコンサート会場。
表層的な質問を並べて、彼が時代の代弁者であることを規定したがる、
記者達との会見のシニカルなやりとり。
そこには、外界への融合より、自分の表現に素直であろうとする
表現者としての”我”を強く感じました。
一見矛盾する、ディランの反社会的が故のポピュラリティ、
それは、大量消費社会に飲み込まれようとしていた60年代の世界、
その見えない、覆われてしまいそうな力を心良く思わない不特定多数の人々に、
彼の非友好性が、逆に時代に流されない”確かな何か”として、
共感を持って受け入れられた、ということかも知れません。
強い個性とポピュラリティを持つ酒、そう思って店を見渡したとき、
アイラモルトの『アードベッグ』が目に飛び込んできました。
独特のヨード臭とスモーキーを持つアイラモルトの中では、
比較的飲みやすい(僕には)、そう感じられるお酒です。
『アイラはちょっと』そんな方にお試しいただきたい一杯です。

books in the attic vol.6『ロング・グッドバイ』レイモンド・チャンドラー
books in the attic vol.6『ロング・グッドバイ』レイモンド・チャンドラー
村上春樹の作品は、多分68%くらい読んでると思います。(翻訳を除いて。)
その中で、僕が一番好きな作品が『羊をめぐる冒険』です。
妻に家を出ていかれたコピーライターの主人公”僕”の所に、
政財界の黒幕の秘書が訪れ、彼がある企業の広報誌に使った、
広い平原の写真の出所を尋ねられる。
その写真には、存在しないはずの種の、
星のマークのようなシミを持った羊が写っていた。
そして、”僕”は、完璧なフォームの耳を持ったガールフレンドと、
その写真が写された場所と、
その写真を写したであろう”僕”のかつての友人と、
その写真に写る存在しない羊を捜す旅に出る、
乱暴に言うと、そんな話です。
村上春樹の楽しみ方の一つに、作品自体を読む事以外に、
彼の作品の批評と、彼のインタビューを読むことがあります。
いくつかの批評や、彼のインタビューに、
『羊をめぐる冒険』は探偵小説(あるはハードボイルド)
の要素が組み込まれている、という話が出てきます。
そして、村上春樹が最も影響を受けたであろう推理小説家が、
レイモンド・チャンドラー
であり、そのチャンドラーの最高傑作が、
『ロング・グッドバイ』
です。
粗筋は、私立探偵フィリップ・マーロウ
が、億万長者の娘の夫テリー・レノックスと知り合う。
何度か会って杯を重ねるうち、二人は互いに友情を覚えはじめたが、
レノックスは妻殺しの容疑をかけられ自殺を遂げてしまう。
だが、その裏には哀しくも奥深い真相が隠されていた、
そして、いくつもの事件のを経て、その真相にマーロウがたどり着く
というような感じです。
村上春樹は、シーンであったり、会話の展開だったり、空気感だったり、
さまざまなチャンドラーの要素を『羊をめぐる冒険』に散りばめています。
ただそれは、単に”ものまね”ではなく、
”リスペクトからくる引用”といっていいもののような気がします。
(音楽で言うサンプリングでしょうか?)
『ロング・グッドバイ』に印象的に登場するカクテルが、
ギムレットです。
ジンと、ライムジュースのシンプルなショートカクテルながら、
その作り手の個性が出る難しいカクテルです。
ショートカクテルは正直微妙なのですが。
オーダーをいただければ、がんばってシェーカーを振ります。
”ちょっと、ハードボイルド”、そんな気分の時にお楽しみください。

村上春樹の作品は、多分68%くらい読んでると思います。(翻訳を除いて。)
その中で、僕が一番好きな作品が『羊をめぐる冒険』です。
妻に家を出ていかれたコピーライターの主人公”僕”の所に、
政財界の黒幕の秘書が訪れ、彼がある企業の広報誌に使った、
広い平原の写真の出所を尋ねられる。
その写真には、存在しないはずの種の、
星のマークのようなシミを持った羊が写っていた。
そして、”僕”は、完璧なフォームの耳を持ったガールフレンドと、
その写真が写された場所と、
その写真を写したであろう”僕”のかつての友人と、
その写真に写る存在しない羊を捜す旅に出る、
乱暴に言うと、そんな話です。
村上春樹の楽しみ方の一つに、作品自体を読む事以外に、
彼の作品の批評と、彼のインタビューを読むことがあります。
いくつかの批評や、彼のインタビューに、
『羊をめぐる冒険』は探偵小説(あるはハードボイルド)
の要素が組み込まれている、という話が出てきます。
そして、村上春樹が最も影響を受けたであろう推理小説家が、
レイモンド・チャンドラー
であり、そのチャンドラーの最高傑作が、
『ロング・グッドバイ』
です。
粗筋は、私立探偵フィリップ・マーロウ
が、億万長者の娘の夫テリー・レノックスと知り合う。
何度か会って杯を重ねるうち、二人は互いに友情を覚えはじめたが、
レノックスは妻殺しの容疑をかけられ自殺を遂げてしまう。
だが、その裏には哀しくも奥深い真相が隠されていた、
そして、いくつもの事件のを経て、その真相にマーロウがたどり着く
というような感じです。
村上春樹は、シーンであったり、会話の展開だったり、空気感だったり、
さまざまなチャンドラーの要素を『羊をめぐる冒険』に散りばめています。
ただそれは、単に”ものまね”ではなく、
”リスペクトからくる引用”といっていいもののような気がします。
(音楽で言うサンプリングでしょうか?)
『ロング・グッドバイ』に印象的に登場するカクテルが、
ギムレットです。
ジンと、ライムジュースのシンプルなショートカクテルながら、
その作り手の個性が出る難しいカクテルです。
ショートカクテルは正直微妙なのですが。
オーダーをいただければ、がんばってシェーカーを振ります。
”ちょっと、ハードボイルド”、そんな気分の時にお楽しみください。
