次の観劇=新国バレエ「くるみ割り人形」はもう少し先で、またまた観劇ブランク真っ最中です😞 ということで、配信で観たバレエ作品の感想をちょっとずつ。
●大和シティー・バレエ「いばら姫」(2025年8月収録)
原作 グリム兄弟
演出/振付 佐々木三夏/竹内春美
大谷遥陽/猿橋賢/本島美和
今年夏に行われた公演が期間限定で配信されています。主役の2人=いばら姫と王子は、12月21日~31日配信分がこの大谷&猿橋ペア、来年1月1日~11日配信分が菅井円加&山本勝利ペアです。
そして、えっ、何ですか? すっごく面白かったんですけど😃 好きなタイプのアダプテーションです。ダンスは振付家2人を起用しただけあってクラシックとコンテが混ざった独創性あるもので、衣装も個性的。色々な大きさのキューブを使うというシンプルな舞台美術で、その無機質な抽象性が、振付と衣装の良さを引き立てている。
いばら姫の造形も良くて、深層の令嬢なんかではなく、花婿候補(1人のみ)にあからさまにイヤ!を見せるなどちゃんと意思を持った、キュートなお転婆っ子です。招待された妖精たちの中に男性が混じっているのも良いです。そして「招待されなかった妖精」の本島美和さんがまた美しくもカッコいいんだわ😆 造形も一元的な悪というのではなく、本当はいい人なんだけど祝宴の席に乗り込んだところ雷に打たれて邪心が芽生え姫に呪いをかけてしまうという脚色がされていて、彼女にも100年越しのドラマがあるんですね✨ いばら姫と王子とは別に、サイドストーリーとして少年と少女のちょっと切ないエピソードもあるんだけど、それはなんか余計のような気がした💦
●フィンランド国立バレエ「クリスマス・キャロル」(2023年収録)
原作 チャールズ・ディケンズ
振付 デイヴィッド・ビントリー
以前にも配信で観ていました。それを忘れていたほどつまらなかったんだなと、今回観ながら思い出した😓(でも最後まで視聴しましたよ)。そもそもディケンズの小説ってバレエ向きじゃないし、振付は「物語る」のが好きなビントリーだし。
リアリズムに徹した舞台美術と衣装(19世紀半ばのロンドンの庶民)、ストーリーを語るように追っていく展開。実際、小説のプロットほぼすべてを見せていく感じで、パントマイム劇を観ているように感じるときも。ダンスも印象的な振付ではなかったな、フォークダンスみたいなのもあるし。それに、せっかく幽霊とか精霊とかが出てくるんだから、もう少し幻想的な演出があるといいのにとも思います。Xマス・シーズンに子どもを連れて観る作品としても、ダークなシーンがあるからどうなんだろう?と思うけど、道徳的なお話だから教訓モノとしてはいいのかな?
●ウクライナ国立バレエ「雪の女王」(2023年収録)
原作 アンデルセン
振付 アニコ・レフヴィアシヴィリ
今年もウクライナ国立バレエが年末年始の来日公演を打っていますね(今回、私は行きません🙇♀️)。演目は「雪の女王」「ジゼル」「ドン・キホーテ」。そのうち「雪の女王」の2023年公演フル映像がアップされているので観ました。
かつて同バレエ団では毎年、Xマス時期の定番「くるみ」を上演していたんだけど、2022年2月ロシアがウクライナに侵攻したのを受け(今もロシアは攻撃し続けている😖)、チャイコフスキーほかロシア人作曲家の楽曲を取りやめると同時に「くるみ」に変わる作品としてこの「雪の女王」を位置付けたのだそうです。ウクライナの人たちの思いと矜持がこもった作品なんですね😢
アンデルセンの原作に則り、ゲルダがカイを探して雪の王国へ行く途中で、魔法の花園の女主人とか、魔法の王宮の廷臣(カラスの夫妻)とか、山賊の集団とかに遭遇するという展開です。お話は単純で、ダンスを見せる作品。良い意味でオーソドックスな振付で、魔法の宮廷に使えるカラス夫妻、山賊軍団、カイをさらった雪の女王など、長身ダンサーたちによるキレッキレのダンスは胸のすくような素晴らしさ🎊 衣装も配色にニュアンスがあって好きですね。












