原作 シェイクスピア「テンペスト」
脚本/演出 村上大樹
小手伸也/崎山つばさ/久ヶ沢徹/佐藤真弓/井澤勇貴/片桐仁/津村知与支/松田凌/鈴木保奈美/AOI/土本燈子
激辛口感想です🙇♀️ シェイクスピア「テンペスト」の設定を現代に変えて……というので「昭和から騒ぎ」みたいな翻案モノを期待したのです。が「孤島に流された太公が妖精の力を借りて嵐を起こし、自分を嵌めた弟たちを島に呼び寄せて、彼らへの復讐を企てる」という原作の骨子から「左遷された男がある男の力を借りて復讐を企て……」というベースは拝借してるけど、その中身(展開)は全く「テンペスト」ではないお笑い劇で、この手の笑いは肌に合わず、100%「not my cup of tea」でした😔 でも観客は爆笑に次ぐ爆笑で思いっきり楽しんでいる様子だったので、以下は全くの個人的好みでの感想です。
ネタバレ簡単な概要→地方都市のデパート「天平ストア」。賑わう本館とは別に、売れない商品を扱っている “孤島” のような別館がある。内木弁慶(小手伸也)はその中にある飲み屋の常連。別館のフロア長の黒須太郎(崎山つばさ)は自分を別館に左遷(島流し)した本館の社員に復讐を企み、内木に手助けを頼む。別館の女性用下着売り場にやはり島流しされているスタッフ白熊こずえ(鈴木保奈美)に一目惚れした内木は、復讐が成功したら別館に勤めさせてもらうことを条件に手助けを引き受ける。以下、いろいろあって……😅 黒須太郎が実はクズ男で、彼を左遷させた安堂仁央(久ヶ沢徹)は本当はいい奴だったと分かり、デパートの次期社長が決まり、白熊こずえはデザイナーとして将来が開け、別館内に小劇場を作ることになり、その主催者や役者やスタッフも決まり、その他いろいろ何となく丸く収まり、内木弁慶は自分の将来を少し憂う。おわり。
原作での妖精エアリエルに当たるのが小手伸也演じる50歳の内木弁慶なんだけど、50を境に天使になるらしく、天使=エンジェル→演ジェル→演じる力を身につけた男になったという設定。彼はある小劇団にかつて所属していて自分の失敗で劇団を追い出されたという経緯があり、黒須が望む復讐は、内木に死んだ者たちの霊を演じてもらって皆を翻弄させ次期社長を狙うという、うまく考えられたプロットにはなっている。でも、その主筋に織り込まれる横筋や小ネタやギャグがドタバタ風で……😔
シェイクスピア劇の翻案モノはとても興味あるし、ファース(笑劇)は決して嫌いではないけど、本作の場合、その「笑い」の種類が全く受け付けられなかったな。例えば、白熊こずえが担当する女性用下着売り場のディスプレイで、フリルのたくさん付いたカラフルなブラとパンティーが十数点ずつパネルいっぱいに堂々と広げて展示されているとか😖 彼女がデザインした新製品ブラをAOI演じる女子高生が「付けてみます」と言って袖に引っ込むと小手伸也がフラフラと着いていきそうになるとか、別のブラを小手伸也が素肌に付けて見せるとかね。そもそも白熊こずえの担当が洋服やアクセサリーではなく女性の下着で、彼女が立ち上げる新ブランドがブラ製品ってとこで、もう吐きそうになりましたよ。
あるいは、黒須太郎は「若い女性以外は女じゃない」という信念でキャバクラでチヤホヤされたくて天平ストアのお金を横領して左遷されたとか(これ犯罪なのに左遷で済ませる甘さよ)、女子高生が推し活の会費に月20万円必要なのでキャバクラでパパ活することにし、そこに黒須が現れて……とか、ほんと、こういうの全く笑えないんだわ、私は😔 でも、観客皆んなドッカンドッカン喜んでましたね。
原作「テンペスト」に重ねた固有名詞もあったことを書いておきます。天平ストア=テンペスト、伽里井番=キャリバン、セバス利伸=セバスチャン、安堂仁央=アントーニオ、鳥井久郎=トリンキュローとかね。タイトルも「インパクト最優先で『小手のテンペスト=コテンペスト』で行こう!と決まった」そうです。
2時間ほどの芝居、半分くらい観たあたりでウンザリして帰りたくなったけど、壁横の席だったので出られないし、途中休憩がないからその時に帰ることもできないし。これに9800円払ったのか😑と重~い気持ちで劇場を出ました。









