「お願い」するということ | あやこ’s eye  ~今仲綾子の視点~

あやこ’s eye  ~今仲綾子の視点~

人生はアート!これまで出会ってきた美術、舞台、そのほか諸々について綴っていきます。

スーパープレゼンテーションというTV番組が
アマンダ・パーマーという
ミュージシャンのスピーチを取り上げていました。

タイトルは「お願い」するということ

彼女は音楽で食べていけるようになるまで
路上で大道芸をしていました。

帽子にお金を入れてくれた人に
お礼のお花をあげていたそうです。

そのときに生まれる交換は
単にお金とお花というものではなく
「ほんの一瞬、相手と恋におちる」
心のふれあいでもありました。

そして、音楽でメジャーデビューするものの
レコード会社の方針に合わず、
クラウドファンディングでファンに支えられる
活動のやりかたを選びました。

音楽はできるだけ無料で配信する。
そして、支えてくれるよう、応援をお願いする。
その方法で目標を大きく上回るお金が集まりました。


彼女を批判する人は沢山いたそうです。
金の亡者、とか、人に頼らずにちゃんと働け!
みたいな感じでしょうか。

アマンダのスピーチで、一番心に残ったのはここでした。

「批判をする人は分かっていないのです。
ここで、正当な交換が行われていることを」

「人と人がふれあい、交流が生まれると
お互いに助け合いたくなるのです」

アマンダはよくファンの家に泊めてもらうそうで
あるとき、不法移民の娘さんのお家に泊まったとき

アマンダのバンドメンバーにベッドをゆずり
家族がソファで寝てくれました。

そのとき、「これってフェアといえるの?
この人たちはお金もないし、大変な生活なのに
私たちがベッドに寝ていいの?」
と疑問を持ちました。
対等な交換になっていないんじゃないか?
とね。

でも、翌朝、お母さんがアマンダに言いました。
「娘はあなたの音楽に勇気をもらっているのよ
うちに泊まってくれてありがとう」

それを聞いて、「これはフェアな交換なんだ」
と思ったそうです。
かつて、お金とお花を交換したときのように。
そのとき、心の交流も一緒に起こったように。

アマンダがクラウドファンディングで
お金を集めることができたのをみて
メディアはこう聞きます。
「どうやって(このご時世に)音楽に
お金を出させることができたんだ?」
How did you make people pay for music?

答えは「出させたんじゃない、お願いしたの」
The real answer is, I did't make them.
I asked them.


質問が違うのですね。
「どうやったら、音楽にお金を払いたくなるようになるのか?」
How do you let people pay for music?


そのためには、つながること。
そして、「お願いをする」こと。

お願いするのはたいへんです。
自分をさらけ出すことになるから、
こわいですしね。

でも、アマンダが実際に
その怖さにとびこみ、多くの人とつながって
支えてもらう、その姿を見て
すごくカッコイイと思いました。

多くのファンにCDを買ってもらう、
従来のやりかただけでなく
自分と身近でつながるファンに支えられる
という選択もできる時代。

なんだか・・・面白くなってきた・・・!

ちょっとこわいけど、アマンダのように
自分をおしみなく表現するって
楽しいかも。

そのドキドキ感がいまも続いています。

さあ、何をしようかな?!



これは、TED
Technology Entertainment Design)
という団体が主催する講演で、インターネットで公開されています。
日本語字幕がついたものも多くあるので
興味のある方はご覧になってみてくださいね。