アコムみるコンサート物語で手話通訳を担当しています、武井誠です。

 

大変ご無沙汰しております、1年ぶりの寄稿になります。
 
今回、6/29に 堺市にある国際障害者交流センター「ビッグ・アイ」にお邪魔しました。こちらに伺うのも1年ぶりです。
 
相変わらずの素晴らしい設備の充実ぶりで色々とご紹介したいのですが、昨年の記事と被ってしまうのでこちらを参照してくださいませ。
 
 
今回も株式会社リアライズさんのご協力で、素晴らしい字幕システムを付けて頂きました。

 

舞台の左右にあるディスプレイから字幕をお届けしています。
 
さてさて、時々聞かれる質問で、
 
「手話通訳があるのに字幕は要るの?」
 
とか、反対に
 
「字幕があるのに手話通訳がいるのはなんで?」
 
なんて言われたりします。
 
ということで、ここでちょっとお勉強タイムに入りまーす!
 
耳の聞こえない人、聴覚障がい者と一言で言っても色々なタイプがあるんです。
 
生まれた時は耳が聞こえていたけども事故や病気などで耳が聞こえなくなった中途失聴と呼ばれる人たち、
音は聞こえづらいけども補聴器などでカバーが出来る難聴の人、
こういう人たちは日本語でコミュニケーションを取ることに慣れているので、字幕はとっても助かります。
日本語の字幕ですしね!
 
 
そうではなくて生まれつき耳が聞こえなかったり、難聴でも補聴器ではカバー出来ないレベルの聞こえ辛さを持つ人たちは、
日本語ではなく手話で、そう、僕も使っている手話でコミュニケーションを取る訳です。
 
んん?手話って日本語じゃないのかって?
 
それが全然違うのです。独立した文法などを持つ日本語とは別の言語なんです。
 
なので、普段手話をコミュニケーションに使っている人たちからすると日本語というのは、ちょっとオーバーな言い方をすると外国語のような距離感がある言葉だったりします。
 
無理やり例えるならドイツ語が全く分からない状態でドイツ語の映画を見る時に英語の字幕が付いてるようなものです。
最近は小学校から英語を勉強する機会が増えていますが、それにしたって日本語の字幕が付いてた方が何倍も分かりやすいのは間違いありません。
 
同じように手話をコミュニケーションとして使ってる人にとっては、日本語の字幕は分からなくもないけど、やっぱり手話の通訳の方が何倍も分かりやすいのです。
 
 
手話も字幕もみんなが一番楽しめる方法でこのみるコンサート物語を楽しんでもらえるといいなぁと、僕を含めかしの樹の皆さんやアコムの人たちがあれこれ考えてお届けしております。
 
あらららら、影絵からちょっと脇道にそれてしまいましたが、素晴らしい影絵という目でも楽しめる劇があってこその通訳なので、影絵も手話も楽しんでくださいね!