ガンの終末期、本人も家族も最後まで点滴などの処置を拒み、衰弱していき食べられなくなって死んでいった患者さんがいました。
まさに枯れ木が自然に朽ちていくような、そっとこの世から消えていきました。
赤ちゃんを産むときには、ラマーズ法や自宅分娩など、陣痛促進剤や帝王切開などの手術をせずに、自分たちでやり方をきめ自然な出産を希望する人もいます。
同じように、死ぬときは自然死で、というのも希望する人がいたっていいと思います。
医療者は、入院したり手術をしたり、治療を開始してしまうと途中下車できなくなってしまう傾向にます。
なぜなら、その治療をやめたら死んでしまうことになるから・・・・・
そうなってくると「いつ死なせるか」を医師や周囲の人が決めなくてはならない場合もあります。
中心静脈栄養(CV)や末梢の静脈への点滴が血管がもろくてできなくなってくると、皮下点滴にすることがあります。
ようするに皮下に点滴をして、普通は点滴が漏れたという状態を意図的につくってゆっくり身体に吸収していってもらうというものです。
しかし、この皮下点滴では栄養はとれず水分のみになりますので、静脈への点滴に比べてあきらかに死期が早まります。
すると、いつ皮下点滴にするかで悩むのです。
静脈が確保できなくなったら、皮下点滴で・・・・・
なんてあいまいな支持を出されたら、看護師はつらいものです。
でもみんな生きていて欲しくて、必死になって血管を探し、死が避けられない患者さんに何度も針を刺すのです。
苦しませたくないと思っていても、
立場が変わると価値観が変わってきます。
病院で死にたくないと思っている看護師は多いと思います。
死なせかたで悩むのは、生き方を明確にしていなかったからです。
最期はこんな風に過ごさせてくださいと、はっきり言っておくことをお勧めします。
でなければ、誰かの価値観が押し付けられた形の死なせ方になってしまいますよ。
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