役割をなくさない | 看取り看護師めぐ〜死ぬとは最期まで生きること

看取り看護師めぐ〜死ぬとは最期まで生きること

どうか大切な人の最期を穏やかに看取れますように
どうかあなたが最期まで、笑って楽しく生きられますように
最期まで笑って楽しく過ごせる生き方をサポートしたいと奮闘中。

病院に入院すると、みんな病人になってしまいます。

病気があったって

家ではお母さんやお父さん
職場では社長や主任
学校で給食係や連絡係

人はたくさんの役割をもっています。

それが病院ではなくなってしまうのです。


役割は生きがいにもつながります。

役割を病院で新たに見つけるよりも、すでに持っていた役割を病院にいても家族は持たせてあげてほしいと思います。


80歳の男性Wさん(仮名)はかつらの会社の社長さんだった患者さんです。

Wさんは引退され、息子さんが会社をついでいました。

息子さんは新作のかつらを被って病院にきます。

そして「社長!今回の新作はどうですか?」とWさんに聞きます。

Wさんは認知症があります。

言葉を理解できなくて、なんでもうんうんと首をたてにふります。

息子さんもわかってないことはわかっています。

それでも、「新作のチェックは社長にしてもらわないとね」と言います。

Wさんは入院中の患者さんで病人ですが、息子さんにとってはお父さんであり社長なのです。



患者さんはあなたにとって、どんな役割がありましたか?

もし患者さんがお母さんなら、なんでもかんでもやってあげるのでなくて、昔のように甘えてあげてください。

たくさん相談してもいい
料理の作り方を聞いてもいい

おかあさんはあなたにとってどんなおかあさんだったのでしょうか?


死んでもつながりは消えません。

最期の時もお母さんでいさせてあげてほしいと思います。