息を吐くこと吸うことは、生きること死ぬことにつながる | 看取り看護師めぐ〜死ぬとは最期まで生きること

看取り看護師めぐ〜死ぬとは最期まで生きること

どうか大切な人の最期を穏やかに看取れますように
どうかあなたが最期まで、笑って楽しく生きられますように
最期まで笑って楽しく過ごせる生き方をサポートしたいと奮闘中。

先日、何だか呼ばれたような気がして病室に行くと、いつもは目を閉じている患者のNさん(仮名)が目をあけてこちらを見ていました。

めずらしいな~と思って近づき、いつものように「こんにちは」と話しかけました。

ところが、Nさんはいつもと違うのです。

呼吸が荒く、顔は真っ青。

これはおかしい!

橈骨動脈(手首の親指側にある動脈)に触れるが脈がありません。

私は急いでナースコールを押し、他の医療スタッフを呼びました。

大部屋だったので個室に移そうとしている最中に、Nさんは大きく息を吸いました。

息を“引き取った“のです。



息を吐くこと吸うことは、生きること死ぬことにつながります。

あたりまえのような気もしますが、少し掘り下げて考えてきましょう。

赤ちゃんは産声をあげるときに、母体の中で吸った空気をそとの世界に吐き出します。

息を吐いたことによって、新しい空気を吸い込めるのです。

息を吐くことは生きることにつながります。


逆に人は亡くなるときに息を引き取ります。

つまり吸った息を吐けない。

吐けないから吸えない。

そして死ぬ・・・・・。

だから息を吐き出すとは言わずに、息を引き取るというのです。

息を吐くことは死ぬことにつながります。




私たちは何気なく息を吐いたり吸ったりしていますが、これは生きること死ぬことにつながっているのです。

身近にあるのは生だけではありません。

死というのもとても身近にぱるものなのです。