私たちは初めてあった人に対して、その人の「見た目」からいろんなイメージをもちます。
その人の表情を見て、「やさしそう」「こわそう」などの印象を受けます。
その人の服装や髪型から、「清潔そう」「おしゃれ」などの印象を受けます。
その人の視線や動作から、「落ち着きがない」「のんびりや」などの印象を受けます。
私たちは、相手のことを知るために、目という窓をフル活用して、情報を集めています。
だから私たち医療者は、患者さんに対してできるだけ不快なイメージをもたれないように、「見た目」を意識しなくてはいけないと思っています。
しかし、同じものをみても個人によって、受ける印象は違います。
目が取り入れた情報を分析する脳の働きによって、一人一人の気持ち、つまり「心」が加わるからです。
例えば、第一印象で「こわそうなひと」と感じた人でも、喋ってみたら意外とおもしろい人だったり、可愛いものが好きで女の子らしかったり、イメージがガラリと変わることがあります。
これは「見た目」の情報に「しゃべる」という経験が加わって、外見だけではわからない「見えない部分」が、見えてきたからです。
患者さんが「見た目」つらそうだ という情報に対して、「しゃべる」「検査データや記録をみる」「スタッフと話し合う」などのたくさんの経験を加え、「見えない部分」の患者さんの気持ちに寄り添い、何に対してつらいのかを共有し、どんな解決策があるのかをともに考えていきたいです。
私は医療者として、この「見えない部分」を読み取る力をもっと伸ばしていきたいと思っています。