第16話からの続き
俺がメールを送って1時間後ぐらいにダメ妻は帰宅した。妻は小声で「ただいま」と
言って、俺も小声で「おかえり」と言った。手洗いを終えリビングに戻った後、しばらく
沈黙が続いた。そして妻は少し泣いていた。俺からの離婚宣告メールだからだ。
妻も何も言わないので、俺はメールを見たのかと聞くと、妻は見たと答えた。
それからどういう言葉のやりとりをしたのか、俺もはっきり覚えていないが、こたつに
入っていた俺の隣に妻は座ってきて、まだ泣きながら体を寄せてきた。
俺が送ったメールに対して、お互いの言い分を確認し合ったような感じになった。
その頃には俺も何が何でも離婚とは思っていないことを伝え、以前のような関係に
戻りたいと伝えた。
子供が生まれ幼稚園ぐらいになっても、俺にベタベタしてきた頃は、正直うっとしいと
思ったが、今となってはその頃が懐かしいと俺もこぼしてしまった。すると、妻は
はっきりいつとは覚えていないが、俺にベタベタした時に、俺が振り払ったことがあったと
言った。。俺は全く覚えていなかったが、それをきっかけに気持ちが少しずつ離れて
いったと本人は言っていた。
その時は友達にも相談したようで、それについては俺も記憶はないが、申し訳ないと
謝った。確かに第1章の終わりごろに送った最初の爆弾メールの後に、俺が子供
ばっかりかまって、妻にあまり相手をしなくなったと言っていた。。。
この1話だけで書き切れないが、主旨はこんな感じだ。俺も離婚の意志を強く固めて
いたが、わずかではあるが本当に離婚していいのかと気持ちが残っていた。
だから金曜の夜にメールを下書きし、その夜見た夢が、妻と仲良くしているもので、
目が覚めた時に夢だったことがわかり、気落ちしてしまったのだ。。。
実際、俺は離婚に向けての下準備をしていたのも事実であるが、とりあえず、ここまで
踏み込んでお互いの気持ちを話したのは初めてだったので、これを機に前向きに
進むことができたらいいと強く願うばかりだ。